Blogot - 旅とF1と車と男の嗜み

旅とF1と車と男の嗜みをテーマとした後藤康成のブログ。

8月15日 終戦の日

今朝の日経新聞に「本日68回目の終戦の日」を迎えたと掲載されていた。「終戦の年である1945年(昭和20年)に生まれた人もなんと68歳になるんだなぁ」と考えていたら、TVのCNNニュースでも靖国神社参拝についてのニュースが取り上げられていた。

当然ながら太平洋戦争の歴史と敗戦については小学生から学んできている。僕らの時代の歴史教育は、太平洋戦争の敗戦と共に戦後からの復興、そして高度成長期(1955年から1970年)がほぼ同じ文脈の中で語られる。まさに右肩上がりの経済成長で世界第2位のGNP(当時はGNPが指標だった)に踊り出る時代背景を中心に学んだ記憶がある。

僕が中学の頃、歴史の先生から「日本は戦争に勝つべきだった(負けてよかった)と思うか?」という質問があった。クラスの中で「勝つべきだった」と手を上げたのは僕と近所に住んでたSくんだけの2名だったことをはっきりと覚えている。(当時40人のクラスだったので38人は手を上げなかった)

この設問の真意は「日本が復活した原動力が敗戦にある」ということを歴史の先生は印象付けたかったのだろう。もちろん当時の僕は設問の意図に単純に反抗すべく本質を深く考えず手を上げたのだが、明らかに当時の教育は(この先生だけなのかもしれないが)敗戦を美化する方向の教育だったんだと大人になってから思った。

決して、太平洋戦争(大東亜戦争)を肯定するつもりではないが、(誤解を恐れずに書くと)鉱物資源の乏しい日本が、東南アジア諸国の資源を求めて南下した歴史的事実についてあまり多くを教えられていない。僕がそれらの歴史について学んだのはここ数年のことである。

もちろん歴史に「もし」は無いのだが、現在の日本が鉱物資源と海洋資源に恵まれる状況であったのなら、果たして世界に対する日本の影響力はどうなっていたのだろうか?

 

小林は試験に出すな

今年1月ほとんど東京にいない状態で、17日の大阪出張から始まりインド出張、さらに帰国後はまた大阪と出張三昧のホテルぐらしをしている状況です。ニュースはインターネットで確認できるのですが、やはり国内にいるときは日経新聞は欠かさずに読むようにしています。

そんな中で大阪のホテルに居るのですが、本日2月5日(水)の日経本紙の「春秋」は「小林秀雄は入試に出すな」(丸山才一さんが言ったらしいです)というなかなか読み応えのある文章でした。読んでみると、なんと今年の大学入試センター試験の国語の問題に小林秀雄の随想「鐔(つば)」が出題されたことで国語の平均点をガクッと下げたとのこと。僕にとっては、ちょいとニヤリとする文章でした。

ネットで調べたところ、やはり多くのメディアで同様の記事が掲載されており、かなりの難問だったようです。

この「春秋」にも書かれている通り、小林秀雄の文章は短時間でやっつける試験問題には向いていないと思われ、そこには小林独自のワイルドな思想が凝縮された文体であり、読者にとっては難解だけども推理小説にも似た面白さがある「謎かけ」にも似た作品が圧倒的に多いのも確かです。一度や二度目を通してだけではその本質を知るには至らないでしょう。

小林の作品が出題されて「ニヤリ」とした受験生はなかなかの小林通ですね。

2013年度大学入試センター試験の国語の問題と解答

Amazon Kindle体験 - E Inkはすばらしい

この年末から先週にかけて本棚にある約200冊の書籍のうち、約70%をブックオフ送りしました。

これまでは人生の保存版とおもわれる書籍は本棚に収めることにしていましたが、まぁ実際に読み返す本は10%以下でしたし、そもそも本棚が溢れかえりそうになっていたのも確かでした。なにを隠そうこの断捨離に駆られたのは、ブックリーダーのKindleのおかげです。

昨年末にAmazon Kindle Fire HDを購入し電子書籍を数冊購入しました。Kindle Fire HDはiPadより軽い395グラムと片手で持っても負担のない重量のスマートパッドです。7インチカラーディスプレイは読みやすいサイズでユーザーインターフェースは非常にわかりやすいくスマートパッド初心者でも混乱せずに利用できるでしょう。

僕はスマートパッドとしてiPadを利用しているので、電子書籍専用のブックリーダー端末として利用すべくオーダーしたのですが、仕事柄ブラウザやFacebookアプリなどが利用できるAndroid端末に誘惑され、Kindle PaperwhiteではなくスマートパッドのKindle Fire HDを選択しました。しかし利用しているうちにブックリーダーとしてはバッテリーライフが長くないことに気づきました。カタログスペックは11時間でスマートパッドとしては短くはないのですが、ブックリーダーとしては明らかに短いバッテリーライフです。2、3日に1回は充電が必要になってきます。結局悩んだ末に(真剣に悩むほどではないのですが)Kindle Paperwhiteを追加でオーダーしました。(写真左がKindle Fire HD, 右がKindle Paperwhiteです。サイズをわかりやすくするためにMacBook Airの上に乗っけています。)

Kindle Paperwhiteは完全なるブックリーダー端末です。重量も213グラムとKindle Fire HDの半分近くで価格も約8,000円とリーズナブル。なんといっても魅力は1回の充電で最大8週間利用可能(ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合)というバッテリーライフです。利用してみてサプライズだったのはE Inkディスプレイです。

これまで多くのメディアや口コミでE Inkディスプレイの素晴らしさは聞いていましたが、「百聞は一見にしかず。」実際に書籍を読んでみると反射はなくまさにインクで印刷されているような錯覚に陥ります。E Inkディスプレイを体験すると、LCDディスプレイで電子書籍を読むことが辛く思えるほど快適に読書ができます。

Kindleは2007年11月に米国で発売されましたが、日本での発売が5年もかかりました。正直言ってまだまだ書籍数は足りない状況です。各出版社の文庫本が電子書籍化されると最高なのですが、出版業界のエコシステムを大きく変えてしますことからそう簡単にはいかないでしょう。

電子書籍はこれまでiPadを利用して読んできましたが10冊にも及びませんでした。さらに(数えていないのですが)昨年読んだ書籍は10冊くらいの気がします。Kindleのおかげで今年は既に4冊読んだのでおそらく50冊は超えるのではないかと思っています。さらに、フライト時間が長いインド出張でも本を何冊も持ち歩くこともなくKindleでエンジョイできそうです。

ちなみに今読んでいるのは「徒然草」(280円)です。

エベレスト山

あけましておめでとうございます。

新年なので縁起の良い世界No.1の話題です。

突然ですが「ヒマラヤ山脈を生で見たことはありますか?」登山家でもない限りヒマラヤ山脈を生で見る機会は、なかなか無いと思います。

年末インドネタをエントリーしていますが、昨年9回のインド往路フライトの中で12月に一度だけ好天に恵まれヒマラヤ山脈の(おそらく)エベレスト山を綺麗に見ることができました。ちなみに、復路フライトは夜便なので見れません。

成田からデリーまではお昼の12時くらいに出発し(時期によって偏西風の影響でフライト時間は変わりますが)8時間から9時間かけ現地18時頃に到着します。デリー到着の約2時間前くらいでしょうか、バングラディッシュからインドの上空に入ったところで右側窓からにからクッキリと確認できました。写真は約12000mからiPhone 5のカメラで撮影しています。もちろん肉眼のほうが大きくクッキリと見えます。結構感動しました。

この正月に帰省し旧友と時間を共にする機会がありました。その旧友からもこのブログを楽しみにしているとのリクエストがあったので今年はできるだけエントリーしていきます。

2012年を振り返る

2006年から始めた、年末恒例の(今年一年を漢字で表し振り返る)エントリーです。

これまでの一文字は、2011年「整」、2010年「進」2009年「改」2008年「淘」2007年「変」、そして2006年は「激」とその年の自分の状況を表してきました。

実のところ今年はこのブログエントリーも滞っておりエントリー数も少ないことから今年はエントリーしようか迷っていたのですが、この年末の忘年会に熱心なBlogotファンから「今年の文字は何ですか?楽しみにしていますよ。」との声を頂いたのでエントリーすることにしました。

今年は「」です。そう、インド(印度)の「印」であり「しるす」という意味の「印」です。

Facebookを中心にエントリーしてきましたが、この春からインドにJVを設立しモバイルポータル事業を進めてきました。その中での僕のミッションは、インドのNo.1モバイル・インターネットポータルを立ち上げる。つまりネットエイジ時代に何度も経験してきた、いわば、昔とった杵柄の「ゼロイチのインキュベーション」です。

そのおかげで今年は出張三昧の日々を送って来ました。インドのデリー近郊のIT都市であるグルガオンのオフィスには9回、エンジニアリングチームがいる大阪オフィスには16回足を運びました。今年は例年にも増してインド、大阪を中心に多くの人々との新たなる出会いがあった年になりました。

まさか、昨年年末にはこのような展開が待っているとは夢にも思いませんでしたが、何が起こるかわからないのが人生ですね。しかもグローバルな展開という僕のキャリアにとっては新たなるマイルストーン(印)を印した年になりました。

さて来年にはいったい何が起こるのか楽しみです。

Huluの衝撃

最近24インチの(デジタル端子付きの)LCDモニタが手に入ったので、自分の部屋のMacBookとデジタル出力でつないでみたら、なんと1920 x 1080ピクセルで綺麗に映るではないですか。

と言うことで連休前の4月26日に、(今更ながらですが)人気の映画やTVがインターネットで見放題というHuluにトライアル登録してみました。Huluは月額980円で見放題のストリーミングサービスです。勿論ブルーレイクオリティーは期待できませんが、フレッツ光の環境ではコマ落ちもなく十分綺麗に見れるクオリティーです。

この連休前半に、Aliasを始めとする米国TVドラマシリーズを16本、2時間ものの映画3本も見てしまいました。Huluのラインナップは旧作が中心ですが、米国TVドラマ好きの僕としては差し当たり十分なラインナップです。久しぶりにライフスタイルを変えそうなネットサービスを目の当たりにしました。

当分ツタヤに行かなくなりそうな感じです。

2012 F1マシンで段差ノーズはなぜトレンドになったのか

2月に入りほとんどのチームからニューマシンが発表され、いよいよ2012年のF1プレシーズンがスタートしました。

なんといっても今シーズンのマシンのエクステリアの特徴はフロントの段差ノーズのデザインです。2012年FIAは、マシンのフロント・セクションの高さを下げるレギュレーション変更を行いました。これはマシンが側面で衝突した場合、一方のマシンのノーズが他のマシンのコックピットを貫通する可能性を低下させる安全性対策のためです。

具体的にはマシンのコックピット前から150mmのノーズの最大高を、基準面から550mmに制限。しかしながら、コクピット前(モノコック前端)の最大高は625mmのままであり75mmの差が生じてしまうことになります。

この段差ノーズはなぜこれほどまでに注目されたのでしょうか。

F1マシンというと所謂モンスターマシンというイメージを持つ方が多いと思います。実のところ、F1マシンのパワー至上主義の古き良き時代はすでに終焉を迎えています。なんと、パワーユニットはここ数年の間に縮小化してきているのです。F1マシンの排気量は普通の乗用車とあまり変わらず2400ccなのです。さらに来年からは1600ccまで縮小されます。(もちろんエンジンのマテリアルや燃料は市販車と違います。)昨年優勝したRed Bullのマシン"RB7"は他のフェラーリやメルセデスGPに比べると、最高速度は圧倒的に遅いマシンでした。

では、なぜRed Bullは優勝できたのか?

RB7は他のマシンに比べて、中速コーナー、低速コーナーを圧倒的に早く駆け抜けたのです。つまり、トラック一周を最短のタイムで走るため必要だったのは最高速度ではなくバランスのとれた空力(エアロダイナミクス)でした。(もちろんドライバーセバスチャン・ベッテルの能力も優れていたのですが)この空力の最高傑作をRB7をデザインしたのが、Red Bull RacingのCTOであるエイドリアン・ニューウェイです。

現在のF1マシンの性能を大きく決定づけるのはエンジン性能よりもエアロダイナミクスなのです。今週行われたヘレステストでは、この段差ノーズがエアロダイナミクスにどのような影響を与えるか、各チーム評価を行ったことでしょう。

写経と書初め

2日に毎年の恒例行事の書初めをしました。

実はここ最近筆をとる機会を増やしているのですが、そのきっかけは昨年京都の西芳寺に訪問した際に行った写経です。

写経用紙に薄い文字で書かれている般若心経の文字を小筆でなぞるように書いていくのですが、これが結構大変で般若心経(旧漢字の書体が多く)の278文字を書くのになんと20分から30分かかったと思います。その写経は西芳寺に奉納されています。(たしか撮影禁止と言う事で僕は写真を撮らなかったのですが、いくつかのブログで写経の風景がアップされているようです。)

これを機会に、これまでプリンタ任せにしていた年賀状の宛先を今年は筆を取り自筆で行いました。

さて、今年の書初めは「有志竟成」。<ゆうしきょうせい>とよみます。

4文字熟語図書館によると、

志を曲げることなく堅持していれば、必ず成し遂げられるということ。
一見すると困難のようにみえても、固い信念を以て事に当れば遂には実現されるということ。

斉攻略など不可能だと思っていた光武帝が、それを成し遂げた耿弇を称賛して述べた言葉。

まぁ、ひとことで言うと「最後まで諦めない」ということですね。

この「最後まで諦めない」という言葉はよく聞く言葉ではありますが、F1の小林可夢偉選手やサッカーの澤穂希選手など多くのアスリートたちががインタビューで答えていた言葉で、僕の頭の中に焼き付いていたことで4文字熟語で表現してみました。

ちなみに、2011年は「一心不乱」、2010年は「進化」、2009年は「一期一会」(写真見つからず)でした。