Blogot - 旅とF1と車と男の嗜み

旅とF1と車と男の嗜みをテーマとした後藤康成のブログ。

ネットエイジのJavaエンジニアリング(その2)

前回はネットエイジのエンジニアリングの歴史を紹介しましたが、今回は開発を手がけたプロダクトについて書いていきたいと思います。

2003年の夏にネットエイジとしては本格的な Java ベースのメーリングリストマネージャーである「melpod」を開発しました。FreeML.com 開発ノウハウを企業向けにパッケージするのがこのプロダクトの開発目標でした。

対応プラットフォームは Redhat Linux, Solaris そして Windows。 まさに Java の特徴である「Write Once, Run AnywhereTM (一度記述すればどこででも実行可能)」 を活かしてマルチプラットフォームのプロダクトを実現しました。アーキテクチャは Web Server, Servlet Container に Tomcat, EJB Container に JbossJboss Embeded Tomcat を利用)を採用。メーリングリストアプリケーションであるために MTA に James を採用しメール受信関連は Maillet でのアプリケーション開発を行いました。

当時商品化に向けての問題は山積みで、まずは DBMS の選定がマルチプラットフォーム対応の鍵でしたが、同時期に Windows プラットフォームで動作する商用 DBMS である PowerGres on Windows が発売されたため、PowerGres on Windows 開発ベンダーである SRA 社とパートナーシップを締結し、melpod パッケージにDBMSバンドルが実現できました。Linux/Solaris プラットフォームは PostgreSQL を採用しています。

さらに商品の特徴がメールアーカイブの検索であったことから、メーリングリストに投稿されたメールを縦横無尽に検索する機能を実装する必要があり、自然言語検索エンジンの選定と評価を行いました。いくつかのオープンソースサーチエンジンおよび商用のサーチエンジンの評価を行いましたが、コストと再配布ライセンスで選択肢は乏しく、最終的に選定されたサーチエンジンN-gramスクリプツ・ラボ社の MindSearch となりました。

パブリックベータテストを経て2003年の8月にVersion 1.0.0 をダウンロードベースで出荷し、現在のバージョンは 1.1.6 と機能改善が行われています。なお、2004年にはサン・マイクロシステムズの杉本さん、大森さんに全面的に協力を頂きSolarisプラットフォームへポーティングを行い9月に出荷にこぎつけました。

ネットエイジのJavaエンジニアリング(その3)
ネットエイジのJavaエンジニアリング(その1)