Blogot - 旅とF1と車と男の嗜み

旅とF1と車と男の嗜みをテーマとした後藤康成のブログ。

フィードパスは今日からYahoo! Japanグループに

本日プレスリリースにて発表したとおり、フィードパスは本日付けでYahoo! JAPANグループに仲間入りしました。

フィードパスは中小企業(SMB)向けのクラウド事業を中心に、グループウェアやWebメール等、ビジネスアプリケーションのサービス企画から開発、運用までの実績を積み重ねてきました。このような背景からフィードパスはこれまで培ったクラウドビジネスの経験やノウハウをバリューとして、Yahoo! JAPANのサービス開発に活かしていくこととなりました。

今回経営母体がYahoo! JAPANに変わることでフィードパスにとっては大きなマイルストーンになりますが、業務執行の体制に大きな変更はなく、引き続き代表取締役 CEOの津幡と共に僕は取締役 CTOのポジションでフィードパスの業務執行に携わっていきます。

日本においてはSMB向けのオリジナルクラウドサービスを展開している独立系ベンチャーは決して多くはありません。個人的には米国で企業向けコラボレーションウェアをSaaS展開している37signalsのようなスモールエクセレントなカンパニーを標榜してきました。

一方、マーケットに目を向けるとSMB向けクラウドアプリケーション市場は過当競争の様相を呈しています。このような状況下で堅実に事業成長を実現するためには、Yahoo! JAPANという「日本のインターネット」の代名詞的な存在のカンパニーの支援を得ることで経営の安定化を図るメリットのほうが大きいと判断しました。結果的には米国スタートアップの典型的なエグジットモデルの日本版(設立後6年も経っているのでスタートアップとは言いにくいのですが)となりましたが、フィードパスのすべてのステークホルダーにとってはポジティブな結果となりました。

フィードパスはこれまでもいくつかの大きなマイルストーンを経てきました。2005年4月に僕が設立メンバーとしてネットエイジにてインキュベーションしブログエンジン株式会社を設立しました。設立当時はブログ(当時はWeblogと呼んでいました)がコンスーマ市場からビジネス市場に拡大してきているステージの中で企業向けブログ事業を展開するカンパニーとしてスタートアップしました。

翌年の2006年には企業向けブログ市場の成長に追随するためにサイボウズに資本参加をいただき、現在のフィードパスに社名変更しサイボウズグループとなりました。このタイミングで現CEOの津幡、現モディファイCEOの小川浩さんとフィードリーダー(フィードパス社名の由来となったサービスです)+ブログ事業を中心に経営の舵取りをすることになりました。

その後、住友商事の資本参加で米国Zimbraの日本展開を実現し、フィードリーダー事業をクローズしSMB向けのクラウドアプリケーション事業にフォーカスしてきました。2007年にはそのZimbra社が米国Yahoo! Inc.に買収(現在ZimbraはVMware社になっています)されましたが、これも何かの縁と感じます。そして昨年2010年にはライセンス系のクラウドアプリケーション事業を移管し、現在はオリジナルサービスを軸にクラウドアプリケーション事業に注力しています。

このように振り返ると僕はフィードパスで、会社設立、M&A、増資、米国企業の日本展開、事業買収、MBO、減資、事業売却、そしてエグジットとひと通りの経営イベントを経験をしてきました。今後もYahoo! Japan グループの中でさらなる経験を積むことになるでしょう。

Yahoo! JAPANであらたなる出発となるフィードパスを引き続きよろしくお願いします。