Blogot - 旅とF1と車と男の嗜み

旅とF1と車と男の嗜みをテーマとした後藤康成のブログ。

KAGEROUの爽快感

15日の発売日にAmazonでオーダーした今話題の齋藤 智裕の「KAGEROU」を本日読み終わりました。ネタバレするのでストーリーそのものへは踏み込まずに個人的な感想をエントリーします。

当然のことながら水嶋ヒロという人物像や話題性が相まって、必要以上にメディアが作品に拍車を掛けているのでは?という先入観があり、期待値が低い状態で読み始めましたが、良い意味で大きく期待を裏切られる作品でした。

これまでの読んだ作品に例えると、村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」、村上春樹「1973年のピンボール」のようにグイグイとストーリーに引き込まれてしまい、2時間足らずで読み切ってしまいました。

ここ数年あまり新人作品は読んでいないのですが、主人公の人物像の描き方と感情起伏の表現力、メタファの表現の仕方、情景ディテールの表現、そしてユーモアのセンスなど、処女作とは思えない表現力です。

小説全体のテーマである「肉体と魂」、「生と死そして再生」を巧みなストーリー構成で描いており、想像を超えるエンディングにより読み終えた後の爽快感がそこにはありました。

発売2日で68万部と、かなり人気のようで、文学界に新たなる旋風が起こりそうです。