Blogot - 旅とF1と車と男の嗜み

旅とF1と車と男の嗜みをテーマとした後藤康成のブログ。

Xdriveで浮き彫りにされるSaaS + PaaSビジネス

TechCrunchによると、米国Xdriveが売却先を探している。XdriveはAOLのストレージ事業として展開してきたが、プロフィットモデルは広告であり、AOLはこのモデルで事業継続する事は成長性が維持できないt判断したようだ。

Xdriveオンラインストレージ事業の効率的拡大を図るには、広告収入ではなくサブスクリプション収入に注力する必要がある。そしてこのビジネスモデルは当社目標の戦略路線とは足並みが揃わない。当社が抱えるユーザーアセットについて(他社に)移転し、この業務移行を最善のものにするプランを現在検討中だ。(TechCrunchより)

今年になってからクラウドコンピューティングというキーワードが注目を浴びている。Google Apps Engine、Amazon S3などローレイヤーで見れば一見ストレージビジネスが成長を迎えている。しかし、利用するサービスプロバイダーから見えるクラウドコンピューティングは、ストレージ貸しモデルのサービスではない。サブスクリプションモデルのWebプラットフォームサービスのビジネスモデルである。Google, Amazonはアプリケーションレイヤー、つまりAPIを提供する事でストレージ貸しモデルではなく、Webアプリケーションのプラットフォームを提供するサービスとして展開している。一方これまでのXdriveのビジネスモデルはファイルシステムとしてのストレージ貸しモデルであるために、市場はホスティングサービスプロバイダーに席巻されており、サービスとしての競争力を失った。

一方、このような変化に適応したのはAppleである。Appleは.macで個人向けにストレージ+メールというモデルを展開してきたが、メール、スケジュール、写真などのアプリケーションをiPhoneやMacなどのデバイスと同期することで付加価値を付けユーザーをロックオンするサービスに仕立て上げた。つまりこれまでの.macのストレージモデルを変えたのだ。

サービスプロバイダー向けプラットフォームを提供する、Google, Amazon, Yahoo!、エンタープライズ向けプラットフォームを提供するSalesforceなどがリードし多くのWebサービスAPIを提供したことでマッシュアップサービスが爆発的に普及し、ネットユーザーは好んで利用した。これによりインターネットサービスでWebサービスAPIを利用することは一般的になった。さらに、アプリケーションやAPI のサービス(SaaS)だけではなくデータソースのレイヤーをプラットフォームを提供するサービス(PaaS)とともに提供するビジネスモデルは今後間違いなく成長するだろう。

しかしながら、PaaSビジネスはへタップオンするには、ハードルは決して低くない。ファシリティー+インフラストラクチャーのレイヤーの環境が整っており、高収益を得られるサブスクリプションモデルのサービス, APIが必要である。当然我々フィードパスも、粛々とSaaS + PaaSのレイヤーを狙っている。