噂には上っていたものの、Microsoftが本気でYahoo!に買収を提案するなどと、5ヶ月前の彼らは全く予想もしていなかっただろう。彼らとは9月にYahoo!に買収されたZimbraである。
買収騒動の最中、2月5日Yahoo!はZimbra Collaboration Suite 5.0を正式にリリースした。5.0は多くの新機能と機能改善を含んだ2年越しのメジャーバージョンアップである。このバージョンアップには15000人のオー プンソースコミュニティーのメンバーと、世界中の顧客からのフィードバックが含まれている。もちろん僕らフィードパス社もfeedpath Zebra/ZCS日本語版のローカライズにおいてフィードバック一翼を担っている。
今回のバージョンアップの目玉はiPhone/iPod touch対応、ブリーフケース、ToDoリスト、インスタントメッセンジャー、ネットに接続していない状態でも利用できるオフラインクライアント、さらには起動時間を短縮するなどの性能改善も含まれている。
今回の機能増強を図った5.0リリースにより米国の多くのメディアでは、MicrosoftがYahoo!の買収に成功したならば、Exchange Serverを持つMicrosoftにとってZimbraはジョーカー的な存在になると報じている。
このメディアの取材の中で、買収前まではZimbra社CTOであったScott DietzenはZimbraの姿勢を明確に述べている。
「Zimbraのコードはオープンソースであり、"オープンソースコミュニティーに我 々が与えたソースコードは消えない。"もし何らかの理由でZimbraチームがYahooの中で解散されるなら、Zimbraはオープンソースとして生き残 るでしょう。」と彼ははっきりと言った。
さらにはZimbraのファウンダーであり買収前までZimbra社CEOを務めていたSatish DharmarajはZimbra Forumで以下の声明を述べている。
Zimbraでは、なんの変化もありません。 我々は顧客の成功のため徹底的に専念しつづけるだけです。 我々は引き続きハイペースで革新し続けるつもりです。
さらには、
我々はオープンスタンダードを抱擁し続けるつもりです。 それはZimbraのDNAなのです。 そして、我々はオープンスタンダードに専念し続けるだけです。
この2名のコメントは、まさにマイクロソフトへの挑戦状のようにも読み取れる。実際、日米のメールマーケットではExchange ServerからZimbra(日本はfeedpath Zebra)に乗り換えているケース(あるいは乗り換えを真剣に検討している)が多く、サーバーサイドメーラーのマーケットは拡大してる。