Blogot - 旅とF1と車と男の嗜み

旅とF1と車と男の嗜みをテーマとした後藤康成のブログ。

グーグルCEOの憂鬱

グーグルといえば創業者であるラリーとサーゲイが今や神話のように語り継がれているが、実際にグーグルのバックオフィスのハンドルを握っているのは2001年からCEOに就任したエリック・シュミットである。ラリー、サーゲイの2人と共に、三頭政治体制にてグーグルの経営を行っている。

エリックは、プリンストン大学で電気工学の理学士号を取得、さらにはカリフォルニア大学バークレー校で情報工学修士号および博士号を取得した。元米パロアルト研究所の情報工学研究所の研究員を務め米ベル研究所と米ザイログ社に在籍した。エリックのバックグラウンドで以外と知られていないのは、1983年にサン・マイクロシステムズ社に入社し、今やWebアプリケーション開発のデファクト・スタンダードであるプログラミング言語Java開発の指揮をとり、最高技術責任者と執行役員を兼任していたことである。1997年から2001年まで米ノベル社のCEOを務め、Googleの創設者であるラリー・ページとセルゲイ・ブリンは2001年、シュミットを採用した。エリックはグーグルのCEOに相応しい、テクノロジーをバックグラウンドに持つ経営者なのである。さらに、スティーブ・ジョブスからの要請で2006年8月に米アップル社の取締役に選任されたことは記憶に新しい。

ベンチャー企業の成長過程には、いくつかのステージが存在する。ビジネスのコンセプトやビジネスプランの段階の「シード・ステージ」、プロトタイプやベータ版が完成している「スタートアップ・ステージ」、商用サービスとして売り上げか立ち始めた頃の「アーリー・ステージ」、定常的な売り上げが利益が拡大し始めた成長期の「エキスパンション・ステージ」さらには安定した業績が確保でき、株式公開が視野に入る「レーター・ステージ」、株式公開目前の「プレIPOステージ」である。

グーグルはアーリー・ステージからエキスパンションステージにさしかかろうとしており、その頃グーグルに投資していたベンチャーキャピタル「クライナー・パーキンス」のキャピタリストであるジョン・ドーアと「セコイア・キャピタル」のキャピタリストであるマイケル・モリッツはテクノロジー企業といえども、様々な面で経営的な判断が出来るいわゆる最高経営責任者が必要性を痛感しており、ラリーとサーゲイにエリックを紹介したのである。

グーグルIPOまでの間、経営、財務関連の険しい上り坂を上りきれたのはエリックの手腕が大きい。その、エリックシュミットは最近の日経新聞の取材に対して以下のような危機感をあらわにしている。

「あと5年以内に次なるグーグルが現れる」

グーグルの理念が意味するところ(グーグル考察 第1回)
壮大なミッションとWeb2.0(グーグル考察 第2回)
情報の組織化が意味するところ(グーグル考察 第3回)
コンシューマー向けサービスとビジネスモデル(グーグル考察 第4回)
グーグルのエンタープライズ向けビジネスモデル(グーグル考察 第5回)

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