Tech Crunchに久しぶりにワクワクする米国スタートアップベンチャーの記事が掲載された。Facebookの共同創業者であるDustin Moskovitzが立ち上げたAsanaというテクノロジーベンチャーが資金調達したという記事である。
Asanaはこの春に$1.2 millionでエンジェルラウンドを終えてこの冬にVCラウンド(シリーズA)のステージを迎えた。今回のシリーズAラウンドの調達額はなんと$9 million (日本円にして約8億円)でありその調達先は、Benchmark CapitalおよびMarc AndreessenのファンドであるAndreessen Horowitzといった超毛並みの良い一級ベンチャーキャピタルである。
このステージ(アーリーステージ)のベンチャーに対する投資はリスクが極めて高い投資となることから、誰が投資していて(株主構成)と誰が経営に携わるか(マネジメントチームの個人的資質)により立ち上げる事業のポテンシャルが占われる。例えばベンチマークすると既にサービスを開始している同期型オンラインストレージのDropboxが同じシリーズAで$6 million調達しているが、Asanaはサービス開始前のステージで$9 millionを調達している。このことからAsanaのポテンシャルはかなり高いと想像できる。
Asanaのマネージメントチーム(スタートアップメンバー)の顔ぶれもすごいが、アドバイザーの顔ぶれがまたすごい。Facebook DirectorのAditya Agarwal、ご存じMarc Andreessen、Benchmark CapitalのMatt Cohlerといった強力な面々である。
Asanaのサービスはまだ立ち上がっていないので詳細は不明であるが(シンプルなコーポレートサイトでロゴも出来ていないようである)、立ち上げるサービスは企業向け(あるいは企業間)のコラボレーションツールでありGoogle WaveやYammerと似た新たなるサービスのようだ。この企業向け・企業間コラボレーションマーケットは、まさにフィードパスが注目し来年に向け新サービスを開発している、注力するマーケットでもある。
サブプライム・ショック以来、米国(日本も)のベンチャー投資(特にアーリーステージ)は冷え込みを見せており、ITベンチャーのIPOそのものが低迷していたが、ここになってやっとベンチャー投資が復調の兆しを見せている(と思いたい。)、ここ数年はメガベンチャーであるFacebookやTwitterなどのようなコンシューマーサービスに対するVC投資が騒がれていたが、エンタープライズ向けのサービスへの投資が復調して欲しい。