Blogot - 旅とF1と車と男の嗜み

旅とF1と車と男の嗜みをテーマとした後藤康成のブログ。

キーワードはSaaSからクラウド・コンピューティングへ

クラウド・コンピューティングというキーワードに関して考察してみる。

ここ最近日経本紙・日経産業新聞をみると毎日といって良いほど「クラウド・コンピューティング」あるいは「クラウド」という見出しが散見されるようになってきた。実際に日経新聞はGmail/Google Calendar/Google DocsなどのGoogle Appsを「クラウド」と呼んでいることから、「クラウド」(Croud)というキーワードはAmazon AWSが提供するIaaSレイヤー、Google App Engineが提供するPaaSレイヤーにとどまらず、我々フィードパスが提供するSaaSレイヤーつまりアプリケーションレイヤーまで包含しようとしているのは間違いない。実際「クラウド・コンピューティング」なのでプラットフォームからアプリケーションまで包含するのは正しいと思う。

一方マーケティング的には、これまでMP3プレイヤーがiPod(アイポッド)、Blogがブログ、RSSがフィードといったように、アルファベット文字の組み合わせからカタカナにキーワードが変わる事でバズワードとなり市場に根付くようになる。今後「SaaS」も「クラウド」と呼ばれるようになり「サービス(アプリケーション)は雲の中から提供される」といった形で連想する事が簡単になる。今後2010年から2011年にかけてのキーワードとしての「クラウド」はクラウド=SaaS(厳密にはクライド≧SaaSという不等式)と呼ばれるなるだろう。

10月30日にノークリサーチから「2009年中堅・中小企業のグループウェア利用シェアと評価調査報告」が発表された。この中で、SaaS/ASPの利用率は4.2%という数値にとどまっている。しかし、この数字を近視眼的に見ては誤った認識になる。このデータの対象は「年商5億円以上~500億円未満を中心とした国内民間企業」である。この規模の100名以上の企業が中心といえるであろう。この規模の企業においての4.2%は有る意味頷ける数値である。

僕は短期とトレンドでは「クラウド・コンピューティング」へのシフトは100名以下のSMBから始まっていると考えている。フィードパスがfeedpath MailにてSaaSビジネスにタップオンしてから2年半となるが、利用企業のその殆どがSMBつまり中小企業である。一方300名規模での企業での利用企業中では部門利用である。当然規模が大きい企業では基幹ソフトウェアのリプレースには少なくとも数千万円以上が必要となる。層簡単にクラウドに移行できるはずはない。例えばfeedpath Calendarを数十名の部門で基幹ソフトとは別に利用したいというニーズは高いのである。

このように中小企業がクラウドへの意向に向いている事は明らかである。しかしながら2年から3年の長期的なトレンドでみればセキュリティーやネットワークレイテンシーが確保されたプライベート・クラウドの土壌が整う事により、300名から1000名規模の企業も「クラウド・コンピューティング」環境に移行していくであろう。