2012.02.11
2012 F1マシンで段差ノーズはなぜトレンドになったのか
2月に入りほとんどのチームからニューマシンが発表され、いよいよ2012年のF1プレシーズンがスタートしました。
なんといっても今シーズンのマシンのエクステリアの特徴はフロントの段差ノーズのデザインです。2012年FIAは、マシンのフロント・セクションの高さを下げるレギュレーション変更を行いました。これはマシンが側面で衝突した場合、一方のマシンのノーズが他のマシンのコックピットを貫通する可能性を低下させる安全性対策のためです。
具体的にはマシンのコックピット前から150mmのノーズの最大高を、基準面から550mmに制限。しかしながら、コクピット前(モノコック前端)の最大高は625mmのままであり75mmの差が生じてしまうことになります。
Source: The Official Formula 1 Website
この段差ノーズはなぜこれほどまでに注目されたのでしょうか。
F1マシンというと所謂モンスターマシンというイメージを持つ方が多いと思います。実のところ、F1マシンのパワー至上主義の古き良き時代はすでに終焉を迎えています。なんと、パワーユニットはここ数年の間に縮小化してきているのです。F1マシンの排気量は普通の乗用車とあまり変わらず2400ccなのです。さらに来年からは1600ccまで縮小されます。(もちろんエンジンのマテリアルや燃料は市販車と違います。)昨年優勝したRed Bullのマシン"RB7"は他のフェラーリやメルセデスGPに比べると、最高速度は圧倒的に遅いマシンでした。
では、なぜRed Bullは優勝できたのか?
RB7は他のマシンに比べて、中速コーナー、低速コーナーを圧倒的に早く駆け抜けたのです。つまり、トラック一周を最短のタイムで走るため必要だったのは最高速度ではなくバランスのとれた空力(エアロダイナミクス)でした。(もちろんドライバーセバスチャン・ベッテルの能力も優れていたのですが)この空力の最高傑作をRB7をデザインしたのが、Red Bull RacingのCTOであるエイドリアン・ニューウェイです。
現在のF1マシンの性能を大きく決定づけるのはエンジン性能よりもエアロダイナミクスなのです。今週行われたヘレステストでは、この段差ノーズがエアロダイナミクスにどのような影響を与えるか、各チーム評価を行ったことでしょう。
2011.10.16
本田宗一郎と鈴鹿サーキット
2011年のF1サーカスは第16戦の韓国グランプリを迎えている。韓国インターナショナルサーキットのある霊岩はソウルから400km離れた場所にあり、昨年初開催で今年2年目を迎え2015年まで開催の契約を結んでる。
F1通信によると韓国インターナショナルサーキットは交通アクセス、近隣の宿泊施設建設、サーキットのファシリティーなど改善する部分が多いと伝えられており、F1ファンの集客にはまだいくつかのハードルがあるようだ。サーキットの建設されたこの霊岩は干拓地であり、海の至近であり、都市開発事業の一環としてサーキット建設が行われ、政府のバックアップでF1を誘致。地元経済の活性化を目的としている。
一方、先週日本グランプリが開催された鈴鹿サーキットは、約50年前の1962年に本田技研工業によって建設されたサーキットである。建設の目的は本田宗一郎氏の掲げた「青少年の健全な育成とモータースポーツの普及」である。
1961年3月のホンダの社報に掲載された「モータースポーツランドの基本的な考え方」は、成長を迎える自動車産業と共にモータースポーツに賭ける本田宗一郎氏の意気込みが感じられる。
モータースポーツの正しい理解
設立の趣旨の基本になっているものはモータースポーツの正しい理解に有ります。自動車産業が、国の代表的産業であるように、その普及によって出てくるモータースポーツもまた、国の文化水準のバロメーターです。そこには、自動車産業のもっているメカニズムが、総合技術の粋が、スポーツの姿の中にも活かされているべきではないでしょうか。これは先進諸国の文化の姿をみれば、もう言うまでもありません。同時に、日本の地理的環境にマッチしたモータースポーツの姿でもなければなりません。例えば、狭い地域でただスピードやスリルを求めたら、これは非常に危険な野蛮な遊戯になってしまいます。
むしろ日本のモータースポーツとしては、そのような刹那的なものに走らないで、それが本来持っている科学性を活かし、技術と娯楽とを結び合わせて、しかも日本で求め得られなかったような健全スポーツとして世界的な文化レベルにまで引き上げる、またそこから新しい技術を育てる温床とする、このような考え方が必要となってきます。モータースポーツランドの主な目的もここにあるといってよいでしょう。これはとりもなおさず、わが国の自動車産業の担い手である私たちの、当然の義務であり信念であるべきではないでしょうか。
(日本に「モータースポーツ」が走り始めた日 より)
サーキット建設に際しては、ヨーロッパの「スパ・フランコルシャン」、「アッセン」、「モンツァ」、「ゾリチュード」、「ホッケンハイム・リンク」、そして「ニュルブルク・リンク」などを視察しコースレイアウトから付帯設備、コース路面の舗装状態に至るまで、詳細な調査を行なっている。
そして最終的に建設候補地には鈴鹿、亀山、土山の三カ所が最終的に残ったが、鈴鹿に決定した理由としてこんな逸話が残されている。
他のある候補地の自治体は、誘致にあたってとびきりの酒宴をはじめとする豪勢なもてなしで本田社長以下を迎えたという。ところが鈴鹿市は、会議室で渋茶一杯を出しただけで、詳細な航空測量写真を広げ、すぐに具体的な実務交渉に入れる資料を揃えていた。宗一郎社長がそこに何を感じたかは、推して知るべしである。鈴鹿市は、全国で二番目に工場誘致条例を施行した自治体だった。杉本龍造市長以下、実務最優先で虚飾を嫌う気風も、宗一郎社長の琴線に触れたことは充分に考えられる。こうして鈴鹿は、後に世界に名を轟かせる「SUZUKA」への道を歩み始めた。
(日本に「モータースポーツ」が走り始めた日 より)
今では、鈴鹿サーキットは世界屈指のテクニカルサーキットとして有名であり、今年2年連続のワールドチャンピオンとなったセバスチャン・ベッテルは「神の手により作られたサーキット」、今年日本GPを優勝したジェンソン・バトンは「自然をうまく利用したコース」と鈴鹿をべた褒めしている。
この鈴鹿の初期デザインを担当したのは塩崎定夫氏でありその後、コース設計の権威として知られるオランダ人のジョン・フーゲンホルツ氏の手に渡った。塩崎定夫氏の最初の鈴鹿のコースレイアウト案はヘアピンが2つあり、立体交差が3つもある斬新なレイアウトだったという。残念ながらこのコースレイアウトは実現しなかった。
鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドは、Formula One World Championship Limitedと2012年までF1日本グランプリの開催を契約している。2013年以降もF1グランプリが鈴鹿サーキットで開催されることを願いたい。本田宗一郎氏の夢のためにも。
2011.05.07
トルコGP コースプレビュー
F1サーカスは3週間の休暇を経てアジアからヨーロッパに移動します。今週末はアジアとヨーロッパのハブとなるトルコのイスタンブールでグランプリが開催されます。
2005年からこのイスタンブール・パーク・サーキットでグランプリが開催されてきました。全長5.338kmの反時計回りのこのサーキットには、名物のターン8が待ち構えています。このターン8を高速かつエレガントなラインで駆け抜けることで、タイムが決まるといっても過言ではないでしょう。
Track map for Istanbul Park. Author: Will Pittenger
ターン8は全長200メートルを超える3つのコーナーを持つ複合コーナーであり、時速270kmで回れる超高速コーナーです。コーナーにインするラインを間違えると、ものすごいGでコースアウトしてしまいます。それを怖がり減速してしまうと一気にタイムを失います。昨日のフリー走行ではタイムが出せませんでしたが、ダウンフォースの性能の高いレッドブル・レーシングのRB7には相性のよいコーナーではないかと思っています。
DRSのDetection Lineはターン9の手前で、Activation Lineはセクター3の始まるターン11の手前となります。イスタンブールのストレートは決して長くないために、DRSによるストレートでのオーバーテイクはかなり難しくなりそうです。
むしろ、DRSで先行マシンとの距離を詰めて、ターン12に入る前のレイト・ブレーキングによるコーナーでのオーバーテイクが見物かもしれません。
2011.04.16
中国GP コースプレビュー
オーストラリア、マレーシアと続いた2011前半のアジアラウンドの最終戦は中国・上海です。時差もマイナス1時間とほとんど時差なくリアルタイムで楽しめるのはこの中国GPの後は秋までお預けとなります。
さて、上海インターナショナルサーキットは2004年に完成した比較的新しいサーキットです。大きな目玉はターン13から始まる1175mという世界でも最長クラスのバックストレートです。今回DRSの利用出来るストレートはこのバックストレートです。PS3 F1 2011でメルセデスGPで走ったところ(2010なのでKERS/DRSなしで)最高速は327km/hというスピードに達しました。まぁゲームなので、燃料の搭載量をシミュレーションしていないのでこのスピートですが、昨日のフリー走行を見る限り310 - 320km/hの最高速のようです。
Shanghai International Racing Circuit track map Author: Will Pittenger
当然のことながら、このバックストレートでオーバーテイクが頻発すると予想されます。昨日のフリー走行では、メルセデスGPのニコ・ロズベルグのタイムアタックでは、バックストレートに入るターン13を回りマシンがストレートに向いたところでKERS/DRSをフルで利用していました。この作戦ではホームストレートでKERSが使えなくなるのですが、長いバックストレートの中盤で最高速に短時間で到達するために予選ではラップタイムを短縮できそうです。
もうひとつのポイントがターン1からターン3までのコーナーです。このコーナーは徐々にRがきつくなるのでシフトダウンのタイミングが難しいのと、左回りのターン2から右回りのターン3へ向かう際のアクセルワークがセクター1のタイムを左右します。
今シーズンはレッドブルのセバスチャン・ベッテルが敵なしの状況ですが、マクラーレンやメルセデスGPにも頑張ってほしいところです。もちろんザウバーも。
さて、連チャンのF1開催で今週もエキサイティングな週末を過ごせそうです。
2011.04.10
エキサイティングなレースのために安全性基準
昨日のマレーシア・グランプリの公式予選にてセバスチャン・ブエミ(トロロッソ)のサイドポンツーン・カバーが外れコース上に散乱する事態が発生するという、ドキッとするシーンがありました。かなり大きなパーツであることから、すぐにレッド・フラッグとなりフリー走行は安全確認までサスペンドとなりました。
F1ではKERSやDRSといったスピードを向上させるテクノロジーを採用する一方、時速300kmを軽くオーバーするマシンの安全性についても最先端のテクノロジーの採用と共にコースの環境整備の基準を設けています。
アイルトン・セナが1994年5月1日、サンマリノグランプリの事故で他界以来、FIA、チーム、ドライバーなどの関係者が一体となって厳格な安全性基準を設定し安全性向上への取り組みを実施しており、セナ没後に死亡事故が発生していません。
多くの安全性基準の中で安全性に大きく寄与しているのがコクピット部分に採用しているモノコックの構造です。
Image:F1complete
モノコックは、スチールの2倍の強度で重量は5分の1のカーボン・ファイバーをベースとしたカーボン・ファイバー・マットで構成されています。カーボン・ファイバーの繊維は毛髪の5分の1の太さ(細さ)で、これらマットの間にハニカム構造のアルミニウム層が挿入されることで、モノコックの剛性をさらに高めています。(F1通信「モノコック:F1安全技術解説-4」に詳しい説明が掲載されています)
また、サーキット・レイアウトに目を向けると、マシンがコースアウトした場合にスピードを落とし、激突を防いだり激突の際の衝撃を和らげたりする構造として、芝生、サンドトラップ(波打たせた砂場)、グラベルトラップ(砂利または土を敷き詰めた場所)、タイヤバリア(専用のタイヤを積んで壁の前に並べたもの)などを導入しています。
昨年2010年のヨーロッパ・グランプリでレッドブルのマーク・ウェバーが、前方を走るロータスのヘイキ・コバライネンと接触。マーク・ウェバーが空中で縦に一回転した事故においても、このモノコックとサーキットの広いランオフエリア(舗装路の外側にある退避路及び退避スペース)により怪我一つ無く安全に停止しています。
2011年のヨーロッパ・グランプリのクラッシュ映像
さて、今日のマレーシア・グランプリもこれらの安全性基準の上でエキサイティングなレースが展開されることを楽しみにしています。
2011.04.07
マレーシアGP コースプレビュー
いよいよ明日8日からF1 2011 第2戦マレーシア GPがセパン・インターナショナル・サーキットで開催されます。
僕は今年からレースウィークはプレイステーション3のF1 2010でサーキットを走ってみることにしました。セパンをざっと30LAP程度走り、コース全体のレイアウトとライン取りを(僕なりに)理解しました。
ちなみにセパンのレコードタイムは1分34秒223で2004年にファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)が記録しています。ゲーム上の僕のレコードは1分45秒程度で10秒以上離されていますが。。
以前このブログでもエントリーしているDRSとKERSが注目を集めていますが、やはりセパンでの一番の注目はDRSとKERSの使いどころであるターン14からのバックストレートと、最終コーナーであるターン15からターン1までの927mのホームストレートに尽きるでしょう。
Track map for Sepang International Circuit. Author: Will Pittenger
DRSが利用出来るのはホームストレートであり、DRS + KERSを使えばオーバーテイクの可能性が極めて高くなりますね。
しかしながら、DRSを利用するためには先行マシンと1秒以内の時間差でなければいけません。バックストレートで先行マシンとの時間差がある場合、時間差を縮めるためにKERSを使い回生電力を使い果たした場合はホームストレートではKERSが利用できなくなります。このあたりの駆け引きが面白くなるのではないでしょうか。
もう一点注目ポイントを挙げるとすれば、ターン12から13にかけての高速コーナー、そしてターン14までのライン取りもタイムを左右しました。
さてさて楽しみな週末になりそうです。
2011.04.02
F1マシンを先導するモンスターマシンSLS
2010年よりF1のセーフティーカーに採用されたのがメルセデス・ベンツ SLS AMGです。
AMGはメルセデス・ベンツをチューニング部門でありブランドであり、このSLSは2009年11月にドイツ国内で2010年9月から日本への納車が開始されました。V8 6.2リットルエンジンから発生するパワーは571馬力というモンスターマシンで販売価格が2430万円という超スーパーカーです。
セーフティーカーはレース中にマシンがコース上でクラッシュした場合や、コース上に止まっている場合F1マシンを先導する役割をになっていますが、このSLSがF1マシンを先導するシーンがたまらなくカッコイイんです。
F1チーム・メルセデス・グランプリのイケメンドライバーであるニコ・ロズベルグがSLSのテスト・ドライビングをした映像が公開されています。SLSのパワフルでエレガントな走りを見てください。
Nico Rosberg driving the Mercedes SLS AMG on the Yas Marina Circuit
2011.03.28
世界で最も速い男達24人からの東北の被災者へのメッセージ
昨日のF1 2011 オーストラリアGPの地上波放送で放映された映像です。
12のチームの24名のF1ドライバーが東北被災者への応援メッセージを寄せてくれた。F1ドライバーたちの素顔が垣間見れる非常のめずらしい映像です。出来ることならCMとして流してほしいなぁ。
なお、BGMはジョンレノンのイマジンです。
メッセージを送ってくれたF1ドライバーたち。(メッセージ順)
1 セバスチャン・ベッテル(23歳) ドイツ/レッドブル
2 マーク・ウェバー(34歳) オーストラリア/レッドブル
3 ルイス・ハミルトン(26歳)イギリス/マクラーレン
4 ジェンソン・バトン(31歳) イギリス/マクラーレン
5 フェルナンド・アロンソ(29歳) スペイン/フェラーリ
6 フェリペ・マッサ(29歳)ブラジル/フェラーリ
7 ミハエル・シューマッハ(42歳) ドイツ/メルセデスGP
8 ニコ・ロズベルグ(25歳)ドイツ/メルセデスGP
9 ニック・ハイドフェルド(33歳) ドイツ/ルノー
10 ビタリー・ペトロフ(26歳) ロシア/ルノー
11 ルーベンス・バリチェロ(38歳) ブラジル/ウィリアムズ
12 パストール・マルドナード(26歳・新人) ベネズエラ/ウィリアムズ
14 エイドリアン・スーティル(28歳)ドイツ/フォース・インディア
15 ポール・ディ・レスタ(24歳・新人) イギリス/フォース・インディア
16 小林可夢偉(24歳)日本/ザウバー
17 セルジオ・ペレス(21歳・新人)メキシコ/ザウバー
18 セバスチャン・ブエミ(22歳)スイス/トロ・ロッソ
19 ハイメ・アルグエルスアリ(21歳) スペイン/トロ・ロッソ
20 ヘイキ・コバライネン(29歳)フィンランド/チーム・ロータス
21 ヤルノ・トゥルーリ(36歳)イタリア/チーム・ロータス
22 ナレイン・カーティケヤン(34歳) インド/HRT
23 ビタントニオ・リウッツィ(29歳)イタリア/HRT
24 ティモ・グロック(29歳)ドイツ/ヴァージン
25 ジェローム・ダンブロシオ(25歳・新人)ベルギー/ヴァージン
2011.03.24
2011年のF1レースを左右する3つのレギュレーション
いよいよ、明日から2011 F1 GPがオーストラリアのメルボルンにてスタートします。そこで、2010シーズンから2011シーズンにかけてのF1レギュレーションの主な変更点について、忘備録をかねてエントリーします。
2011シーズン、レース展開を左右するのは、タイヤサプライヤーの変更(これは厳密にはレギュレーションではありません)、可変リヤウィングの導入、そしてKERSの復活という3点でしょう。
■タイヤサプライヤーの変更
昨年までブリジストンがタイヤを供給してきましたが、今シーズンからピレリーが供給することになりました。
タイヤはエンジンで発生させた動力をトラックに伝えるための大きなファクターとなります。今年複数回行われたテスト走行でピレリータイヤの特性が明確になりました。テスト走行でわかったことはピレリータイヤはブリジストンタイアyに比べて消耗しやすいということです。
当然のことながらタイヤのグリップがラップタイムを大きく左右します。磨耗しやすいということは、グリップ力の持続性が短くなることから、1レースあたりのタイヤ交換の回数、つまりピットインの回数が昨年より増えることになります。
F1ではドライバーの能力、マシン性能が華やかにフォーカスされますが、実はチームとしてのレース戦略が順位を決めるひとつのファクターでもあります。ピットストップはレース戦略を睨んだ戦術となります。ライバルのマシンの状況や、タイヤ消耗によるラップタイムの増減、ピットストップの時間など複数のファクターを考慮しながら適切なタイミングでピットインを行う必要があります。
今シーズンはピットストップ回数が増えることで、チーム戦略が順位に大きな影響をあたえることは間違いありません。
■可変リヤウィングの導入
F1の最も大きな醍醐味はオーバーテイク(追い抜き)の瞬間です。オーバーテイクが少ないレースはドライバーにとっても観客にとっても退屈なレースとなります。そこで、オーバーテイクを促進することを目的として可変リヤウィングが導入されました。
F1はサイエンスです。エアロダイナミクス(空力)の観点、つまり如何に空気抵抗を少なくさせるかがマシンを高速走行につながります。ストレートだけのレースであれば空気抵抗が少なくスピード重視のマシン設計ができるのですが、当然のことながらサーキットには多くのコーナーが存在します。コーナーではタイヤの横滑りを抑制することがラップタイム向上につながります。つまり空気抵抗によりダウンフォース(上から下へのパワーをかけること)を増加させタイヤをグリップさせることになります。
F1はラップタイムのスポーツです。より短いラップタイムで周回することで、結果的には速いマシンと言われます。実はラップタイムを短縮させるのは、ストレートのスピードではなく、コーナーワーク(より速く、きれいなラインでコーナを回る)ことポイントになります。
このような、ストレートのスピードと、コーナーのグリップという相反する空力特性を実現するためにリヤウィングの角度を動的に変更できるしくみが可変リヤウィングです。
この可変リヤウィングはいつでも使えるわけではありません。ドライバーはフリー走行および予選では、このシステムをいつでも使うことができます。しかし、レース中は制限があります。スタートから2周目までは使用できません。その後はドライバーが先行マシンの1秒以内を走行している場合のみ、サーキットの指定区間において使用することができます。
つまり、オーバーテイクを目的としているために先行車は利用できず、後続車だけが利用出来るというジョーカー的なルールが定められているのです。このルールによりエキサイティングなレース展開が期待できます。
■KERSの復活
KERSとは、運動エネルギー回収システム(Kinetic Energy-Recovery System)の略です。
ブレーキング時に電気エネルギーをチャージし、そのエネルギーを再利用し、エンジンの動力に加えてブーストできるというエコなシステムです。
実はKERSの搭載は厳密には規定の変更ではありません。2010年はFOTAにおいて「KERSは使用しない」という紳士協定が結ばれたため、採用チームは無くなくなりました。2011年に再導入が叫ばれレギュレーションに明示されました。
KERSの利用にも制限があります。各周回につき6秒あまりの間しか利用できません。さらにKERS搭載によりマシン重量も増加することから加速、減速の性能低下というデメリットもあることから、その能力を効果的に発揮できかという問題もあります。
また、十分なブレーキングを行われないと、電気エネルギーがチャージされません。ブレーキングポイントが少ない高速サーキットでは、KERSが威力を発揮しないという問題もあります。
この他にも多くのレギュレーション変更があります。これらについては以下のリンクを参照してください。いよいよ2011年の開幕です。明日の金曜日はフリー走行を皮切りに土曜日には予選、日曜日は決勝が行われます。
ワクワクする週末になりそうです
・F1通信:F1技術/競技規約
・Wikipedia:レギュレーションの変更
2011.03.21
2011 F1 GPはメルセデスとザウバー
いよいよ今週末の25日(金)から2011 F1 GPがスタートする。本来なら先週にバーレーンを皮切りに始まっていたのであるが、今年はバーレーンが中止になったことからオーストラリアのメルボルンのアルバートパークが開幕戦だ。
いろいろ思いを巡らせた結果、今年のF1チームで応援するチームを決めた。昨年4位のメルセデス・グランプリと8位のザウバーの2チームを応援する。ドライバーに目を向けると、メルセデスはご存知皇帝ミハエル・シューマッハが背水の陣で臨む。そしてザウバーはポテンシャルを秘めている日本人ドライバーの小林可夢偉の2人を応援するとしよう。
レッドブル、マクラーレン、フェラーリといった3強チームに、がどのように戦っていくか。非常に楽しみだ。
彼らの2011年に賭ける意気込みをYouTubeからピックアップした。
・Kamui Kobayashi interview : 2011 season preview
・メルセデスGP MGP W02 発表会





