2009.01.04
マクロ経済の調整機能
この正月休みは、久しぶりにまとまったOFFが過ごせた。その大半はまとめ買いしたワインを飲みながら、これまで封印してきた米国の連続ドラマである「プリズンブレイク」(シーズン1,2を一気に観た)のDVDを観て過ごしたが、これまでフェードリーダーに未読のままたまっていた多くのIT企業の社長ブログをじっくりと拝読させてもらった。ITベンチャーの経営者として今年2009年は「なにをすべきか」、いや「何をすべきでないのか」をじっくりと内省および考察することができたと思っている。(このブログへのエントリーも休み中できるだけ書いた。)
多くのマスメディアが現在の経済状況を「100年に一度の金融恐慌と銘打って」憂いでおり、それぞれの社長はこの不況のなか、何を考え、何をすべきなのかを2009年の新年の所信として淡々とブログに書いている。このような中で、特に今回興味深かったのは、サイバーエージェントの藤田社長のブログ「渋谷ではたらく社長のアメブロ」やNews2uの神原さんの「minako's blog」さらには、モディファイの小川さんの「Speed Feed」である。
マクロでみると、どのような経済状況にあろうとも、資本主義経済の中で活動を行っている限りは決して「明けない夜はない」のである。つまり資本主義経済はプリミティブな株式マーケットが牽引し、実体経済に合うように調整作用が働くようにできているはずだ。昨年から現在にかけてはデリバティブな金融商品(その代表はCDSだ)が市場を大きく作用するようになり、これらが市場全体の調整に外乱与えている.。マクロ見ても補正するための調整パラメタはあまりにも多すぎて、いまだ調整し切れていないだけである。
2000年からのネットバブルは、期待と実態があまりにもかけ離れていたことで、株式市場の大暴落を招いたが、現在は期待と実態は決して大きく乖離していない。2000年のそれとは本質的に違うと考えている。米国を中心に各国で実施された金融政策の効果が2009年の前半から調整作用として出てくるはずだ。実際年末から新年にかけてニューヨークマーケットはドル円為替相場を含めて堅調に推移してきている。もちろんオバマ効果もあるが。。
さて、このような経済状況の中で、僕ら新興IT企業は2009年どのようにサバイブしていけばよいか。明日の仕事始めの明日朝にでもエントリーしておきたい。
2009.01.02
MacBook Airの魅力とMobile Me
前のエントリーでもちょっとふれたが、これまでMacBookを仕事用のプライマリーマシンとして利用してきたが、昨年の2008年12月25日のクリスマスの日からMacBook Airに乗り換えた。2006年9月に「MacBookの魅力」でエントリーしたとおり、MacBook(CPUは、CoreDuo 1.86GHzのもの)は2006年8月から利用してきたので、2年4ヶ月ぶりのリプレースである。重さ2.36 kgのMacBookから1.36KgのMacBook Airにしたことで、1Kgほどバックが軽くなった。
MacBook Airは2008年2月に発売され既に10ヶ月を経過しているので、今更レビューをエントリーする?という感じであるが、今回手に入れたMacBook Airは10月にスペックがマイナーチェンジされたもので、NVIDIA GeForce 9400Mグラフィックチップ、128GBのSSDが搭載されたモデルである。
実は実際にMacBook Airを利用するまでは、MacBook Airに関してはMacBookに比べその「サイズ」と「軽さ」以外に大きなアドバンテージを見いだせておらず、大きな期待はしていなかった。しかしながら実際利用してみると、その期待より現実の方が圧倒的に上回った。OS、アプリケーションは全く変わっていないが、そのポータビリティーは当然のこと、トラックパッドのサイズ、トラックパッド4本指でのExpose、さらにはより鮮明なディスプレイと、ユーザーインターフェースが向上したことで、MacBookより数段上の軽快なコンピューティングが実現されている。
さらに今回声を大にして言いたいのは、マシン移行による環境設定コストが限りなくゼロに近かったことだ。届いたその日の数時間で日常的に利用するコンピューティング環境が整ったのである。
これまでは、マシンは届いてもセットアップに時間がかかるので、日常業務を優先させNewマシンのセットアップは後回しになる傾向があった。仕事で利用しているデータ数十ギガはファイルサーバーにアーカイブしているので転送することでNewマシンに転送することでデータ移行ができるが、自分用にカスタマイズしてある各種の環境設定やブックマークなど日常的に利用する環境を整えるまで結構な時間を要した。
しかし、Appleのシンク&ストレージサービスであるMobile Meを利用していることでこの時間が大幅に短縮されたのである。Mobile Meはデスクトップ環境の個人設定情報をシンクしている。ブックマーク、カレンダー、アドレスデータ、キーチェーン、メールアカウント、環境設定のデータなどである。
このようなマシンリプレースによるデータ移行はそう頻繁にあるわけではないが、マシントラブルは思わぬ時に突然やってくる。その際のリカバリータイムが大幅に短縮できると考えればMobile Meの年間9800円は決して高い金額ではない。なんとMobile MeとシンクできるデバイスはMacだけではなく、iPhoneとのシンクにも利用できるのである。
ということで、この年末年始も軽快にMacBook Airを利用してブログをエントリーしている。
2008.12.31
バラク・オバマのスピーチ
前のエントリーの最後に紹介したバラク・オバマ次期米国大統領の勝利演説を今一度じっくりと聞いてみた。このスピーチの全文翻訳はgooニュースに掲載されている、全文翻訳をなぞりながらではあるが。
スピーチの中でいくつかすばらしいセンテンスがあるが、いわゆる掴みの部分で
老いも若きも、金持ちも貧乏人も、そろって答えました。民主党員も共和党員も、黒人も白人も、ヒスパニックもアジア人もアメリカ先住民も、ゲイもストレートも、障害者も障害のない人たちも。アメリカ人はみんなして、答えを出しました。アメリカは今夜、世界中にメッセージを発したのです。私たちはただ単に個人がバラバラに集まっている国だったこともなければ、単なる赤い州と青い州の寄せ集めだったこともないと。私たちは今も、そしてこれから先もずっと、すべての州が一致団結したアメリカ合衆国(United States of America)なのです。(goo ニュースより)
中盤では
平和と安全を求める人たちにお伝えします。私たちはみなさんを支援します。そしてアメリカと言う希望の灯はかつてのように輝いているのかと、それを疑っていたすべての人たちに告げます。私たちは今夜この夜、再び証明しました。この国の力とは、もてる武器の威力からくるのでもなく、もてる富の巨大さからくるのでもない。この国の力とは、民主主義、自由、機会、そして不屈の希望という私たちの理想がおのずと内包する、その揺るぎない力を源にしているのだと。(goo ニュースより)
といったように、米国の持つパワーについて淡々と自信に満ちて語っている。
昨年1月、2005年にSteve Jobsがスタンフォード大学の卒業祝賀のスピーチについてエントリーしたが、Jobsのスピーチもすばらしいが、スピーチのシーンこそ違えども、このオバマのスピーチも人の心を掴む、すばらしいスピーチである。
現在閉塞感に満ちている米国経済を再生させようと、来年(2009年)1月20日に第44代米国大統領に就任する。数年後このスピーチは、黒人初の米国大統領選出といったドラマチックで歴史的な日のスピーチとして歴史に刻まれていくだろう。
さあ、期待の2009年が迫ってきている。
2008年を振り返る
2006年から始めた今年一年を漢字で表し振り返るエントリー。
2006年は「激」、2007年は「変」そして今年2008年は「淘」である。
この「淘」は漢字検定準1級の漢字らしいが、<「よな」げる>と読み、水洗いしてすくうようによりわけるという意味。組み合わせてよく使われる淘汰の淘である。ちなみに淘汰の「汰」も、<「よな」げる>と読むらしい。
この字の如く、今年のIT業界特にスタートアップベンチャーは、2001年ネットバブル崩壊後に次ぐ、淘汰の始まりの年であったと感じている。多くのサービスがクローズまたは縮小し、一握りのサービスが成長し続けている感がする。僕らフィードパスも4月に苦渋の決断でフィードリーダーであるfeedpath Rabbitをクローズし、SaaSビジネスにフォーカスした。
振り返ると、その後コンシューマー向けの「フィードリーダー」市場では大きく成長する企業は現れていない状況のようなので、このこの経営判断は正しかったと信じている。マネタイズできるWeb2.0ビジネスは少ない。Google, Amazon, eBay, Appleなどを除けば、Facebook, mixi, Gree, B2BではZimbra, Salesforceといったところだろうか。
僕らフィードパスは2006年から先んじて「SaaS」ビジネスににタップオンしたが、昨年に比べ売上高も大幅に増加し、今年2008年はようやく離陸するための滑走路をトップスピードで走り出した。これは、月額サブスクリプションで年間の売り上げが、座布団式に上積みされていくいわゆるストック型ビジネスの大きなメリットである。
さて、昨今の金融危機、株式市場、雇用問題など様々な問題を抱えての2009年突入であるが、2009年はベンチャー企業にとって「サバイブ」(生き残り)の年。淘汰されないよう、どのように生き残るかが、経営者の手腕の見せ所である。
「Yes We Can」
よい言葉である。知っての通り、今年11月4日シカゴで行ったオバマ次期米国大統領の勝利演説の締めの言葉である。
2008.12.04
米国金融危機とコーポレートファイナンス
11月19日にCnet Japanのオンラインパネルディスカッションに投稿した通り、米国の金融危機はかなら深刻な状況となっている。IT産業への影響もまた深刻だ。
例えば、Appleの時価総額は、1年前の2007年の12月には$160B(1600億ドル)の時価総額であったが昨日12月2日の終わり値$82B(820億ドル)と50%となっている。一方、事業成長(収益)を見ると、(MacBook AirやiPhone 3Gの販売が好調であった)2008年9月期の経常利益は4,834百万ドルと2007年9月期の3,496百万ドルを40%近くの成長をしている。このような成長をしているにも関わらず株価が低迷している状況である。
ここ数日多忙でネットからの情報収集を怠っており、昨日久しぶりにフィードリーダーにエントリーしているブログを中心に時間をかけて情報収集をおこなった。やはり、昨今の市場暴落による米国ベンチャーキャピタルの状況はかなり深刻。シリコンバレーのコンサルティング会社を経営している渡辺千賀さんのブログエントリー「投資はがし(とベンチャーキャピタルの仕組み)」や、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストであるDave Takeuchiさんのブログエントリー「VCのCredit Risk?」および「Wharton Asia Business Conference(2) ~ Panel登壇」(このお二人にはシリコンバレーでお会いしたことがある)を読むと米国のベンチャー投資環境の悪化がひしひしと伝わってくる。
ちなみに、これら渡辺さんやDaveさんのエントリーの内容をしっかりと理解するには、コーポレートファイナンスの知識が必要となるが、コーポレートファイナンスやベンチャーキャピタルの仕組みを理解するためにもっとも勉強になるのは、2001年INTERNET MAGAZINEに掲載された磯崎さんの「コーポレートファイナンス入門」が大変勉強になる。ベンチャー企業に身を置いている方々は必読。
2008.11.18
ルールとフレームワークと「チケットトゥライド」
先週の館山エンジニア合宿は東京湾と三浦半島を望むオーシャンビューのミーティングルームでじっくり議論したのは、より高いソフトウェアの品質を実現するために僕らに求められる3つの最重要課題と対策。さらにはToDoをまとめた。最も重要な課題は各開発プロセスでのミッションと責任分解点の明確化である。僕らのソフトウェアプロダクト開発プロセスはイテレーションプロセスにより「プログラミング」->「単体テスト」->「チェックイン」->「ビルド」->「QA」を1イテレーションとするプロセスで繰り返される、最終QAを通るとソフトウェア、ドキュメントなどがインストーラーとしてパッケージングされリリースされる。特にこの中でQAのクオリティーが高く求められる。
まぁ、これらの開発プロセスは多くの書籍にも掲載されている至ってあたりまえのプロセスではあるが、実際の現場エンジニアは外的要因(ビジネスサイドの仕様変更、スケジュール変更、さらには多のタスクの割り込み)などにより本来行うべきミッションが疎かになる。(特に兼任しているとタスク優先度をつけるのが難しくなる)この綻びが品質低下を招くのである。。外的要因があった場合でもこれをしっかりと周知徹底させるルールとフレームワークが必要である。ルールを起草するのは簡単だ。しかしそのルールをしっかりとワークさせるフレームワークを作らなければ意味がない。今回はそこまで落とし込めたと思う。
さて、夜の部は昼のミーティング以上にエキサイティングかつ知的好奇心をかき立てられるボードゲームの『チケットトゥライド』(写真)で盛り上がった。僕はちょいとワインを飲み過ぎて思考能力が落ちえている中でのゲームで、惨敗したけれどなかなか面白いゲームである。
この『チケットトゥライド』は、2004年にアメリカでDays of Wonder社より発売され、ボードゲーム界の世界最高権威と称される「ドイツゲーム大賞」をはじめ、世界6カ国でゲーム大賞を次々と受賞し、大変話題となったらしい。
『チケットトゥライド』はシンプルなルールのゲームで、名作ゲームと評されている。 ボードには1900年のアメリカ大陸の地図と鉄道が描かれており、各プレイヤーはそれぞれ「自分の列車で一続きにつながなければならない2都市」を課題として与えられ、まずはカードを集め、コマを置きたい路線の色と同じ色のカードを必要枚数分集めて出すと、その路線をつなぐことができる。列車のカードを集めてコマを置き、どんどん都市をつないでポイントを獲得し、一番ポイントが多かったプレイヤーが勝利。ルールはざっとこんな感じ。
この手のボードゲームは各プレーヤの戦略と性格がでる。そのような真剣なシチュエーションでコミュニケーションを深めるには効果てきめんであった。
2008.11.12
コストを低減し、高品質なソフトウェアを開発はできるか?
12日から2日間フィードパスのエンジニア合宿で千葉県館山に隠る。2日間完全オフサイトでじっくり議論するテーマは、エンジニアリングの普遍的なテーマでもある、「ソフトウェア(サービス)の品質を担保するためのエンジニアリングフレームワーク」。
僕らが提供している企業向けSaaSはリーズナブルな価格で利用者にサービスを提供すると同時に高いサービスレベルが要求される。(ソフトウェアサイエンス的にはこれらはトレードオフの関係に有る)具体的には24時間365日ノンストップの高いアベイラビリティーを実現するシステムおよびオペレーションプロセスが必要である。同時にSaaSで提供するサービスそのものは、仕様通りに動作するプロダクト開発の品質保証が要求される。
もともとフィードパスは、企業向けソフトウェアプロダクトを開発している、サイボウズのエンジニアと、主にコンシューマー向けのインターネットサービスを開発していたネットエイジのエンジニア、さらにはプロパーエンジニアと3つのエンジニアリングカルチャーが融合した多国籍的なエンジニアリングチームである。
今後ビジネスが成長すればするほど、ファシリティーやサーバーさらにはサーバーマネジメントなどのランニングコストが増加する。このランニングコストを極力抑えた上で、安定したサービス品質が経営課題となる。これにはプロダクト開発と、サービス開発の「良いとこ取り」のノウハウをベースに、経営課題を克服するエンジニアリングプロセス(あるいはエンジニアリングフレームワーク)が必要がある。これを実現するには具体的に何をすれば良いのかを徹底的に議論する予定だ。
2008.11.11
Ex. NetAgerの誇り
今日は、Ex. NetAgeのエンジニア成長を肌で感じた1日であった。
約3年前ネットエイジを巣立ったエンジニアが、さらに上を目指すために転職するという事で今日は時間をかけてゆっくりと古巣である神泉でDinner Timeを過ごした。
途中(2次会)から同席したエンジニアもEx.Netagerであったが、食事をしながらの彼らの会話はビジネス&テクノロジーの話題が中心で、3年前の彼らの飲み会の会話では到底想像できないビジネス&テクノロジーの話題で持ち切り。
例えば、米国金融市場に端を発した日本株式市場の乱高下や、円高問題、現在のネットベンチャー業界(特にコンシューマー市場)が抱えている問題などを真摯に議論している彼らの姿は、サプライズのディスカッションシーン。
明らかに彼らの成長を感じ、当時(3年前)僕がインターネット・インキュベーターを標榜していたネットエイジでエンジニアリングチームを率いていた喜びと、ネットエイジで共に過ごした誇りを感じさせてもらったスバラシイDinner Timeであった。
まだまだネットベンチャーも捨てたもんではない。
2008.10.10
SaaSで企業は本当にハッピーになれるか(後編)
前回に続いて後編
企業で利用するサーバー環境をオフィスではなくiDCに設置することによるメリットは大きい。例えば、物理的セキュリティー、ネットワークセキュリティー、ネットワークの可用性、停電時などの稼働率など社内ラックに設置するより圧倒的に利便性、機密性が高くなる。例えるなら、大金を自宅のタンスに入れておくより、銀行に預けておくようなものである。実際に一昨年の東京大停電の時僕は首都圏を離れていたが、停電の最中なんの問題もなくメールが利用できた。SaaSサービスを利用する場合メリットはさらに大きくなる。SaaS事業者がサーバーの管理を行ってくれることで、自社で管理することなく管理コストが圧倒的に下がるのである。ここでいうコストとはサーバー、ネットワーク機器の費用もさることながら、システム管理者の作業コストや管理コストである。
従業員が30名程度の企業であれば、IT設備が重要な経営資産となり、停止が許されない環境となってくる。30名から100名規模と成長企業において、例えば、メールサーバーをリプレースする場合でも、拡張性と可用性さらには機密性を高めるためにのキャパシティープランニング、機器選定、予算との整合性など、システム管理者の責任と負担を大きくなる。多くの場合システム管理者は専任ではなく、事業との掛け持ち状態である。
年々増え続けるサーバー台数、サーバールームの電力量、サーバーからの放熱にる熱対策、資産管理を行っているが、年に何度かのサーバーやネットワーク機器の棚卸しなどITシステムへのニーズの増加や従業員の増加などシステム管理者に課せられる業務量は増大し、最も重要な管理タスクである、経営に直結するシステムの設計やセキュリティー対策、さらには変化する技術トレンドのキャッチアップなどが疎かになる傾向にある。社内システムを適切にに分析し、SaaSを導入することにより、システム管理者は日常的な煩雑な業務に追われることなく、社内システムに従事できるはずだ。
ビジネスパーソンが日常的に利用するビジネスソフトウェアは、社内外とのコミュニケーション手段としてEメール、自分のスケジュール、セクションのスケジュール共有を行うために、スケジューラー、ドキュメント作成、スプレッドシート、プレゼンテーションソフトといったオフィススィートであろう、昨年からのIT業界のトレンドとしてはこのような日常的に利用するビジネスツールをクライアントコンピューターにインストールするソフトウェアとしてではなく、インターネットサービスとして提供するといったビジネスパーソン向けのSaaSである。
米国を見てみると明らかにクラウドコンピューティングのトレンドの波が来ている。マイクロソフトはこれまでクライアントコンピューターにインストールしてきたMicrosoft Officeをサーバーサイドに移行する計画を発表し、Office Liveと命名した。サーチエンジンの雄であるグーグルはGmail, Google Calendar, Google Docs, GoogleスプレッドシートなどをセットにしたGoogle Appsを企業向けに提供している。そして米国ヤフーは昨年夏、Webメールを中心としたビジネスパーソン向けコラボレーションスィートを開発提供するZimbra社のZimbra Collaboration Suiteといった買収しマイクロソフト、グーグルに対抗しようとしている。
このようなクライアントソフトウェアからサーバーサイドへのパワーシフトは今回が初めてではない、1980年代企業向けアプリケーションは、サーバー集中型システムである汎用コンピューターから「分散化」、「オープンシステム」という名の下においてにクライアント・サーバー型の分散システムに移行した。いつでも、どこでもアクセスできインターネットが普及した現在では、確保されたセキュリティーの下、様々な経営資源にアクセスできる環境が整ったといっていいだろう。
しかしながら、インターネット故にが抱えるオープンなネットワーク故にセキュリティー、保証されないネットワーク帯域などこれらの問題はNGNへ引き継がれるであろう。
SaaSで企業は本当にハッピーになれるか(前編)
今回は、2008年6月に発売されたネットワークマガジン8月号(アスキー・メディアワークス)に寄稿したコラムである「SaaSでシステム管理者はハッピーになれるか」を加筆修正しエントリーする。
この春に僕が日常的に業務に使用している、Mac Bookのハードディスクがクラッシュしブートできない状態になり、Appleのサポート行きになってしまった。エンジニアの方であればご存知の通り、コンピューターを構成するパーツで最も故障する確立が高いのが、ハードディスクである。数年前なら、ディスククラッシュにおいて損失したファイルをかき集めるため、バックアップサーバーなどからリストア(最新のファイルがあればラッキーな程度のバックアップであるが)する必要があったが、今回のマシントラブルでは、業務をする上で殆ど影響がなく日常的な業務ができたのである。
僕らフィードパスでは、他社からのドキュメントはメールで共有していたためメールアーカイブに保存されている。顧客への提案書など外部に提出する重要なドキュメントはサイボウズオフィスのファイル管理で共有している。契約書はワークフローで共有し。よって、講演で利用したプレゼンファイルや書籍や雑誌などの原稿、デジカメで撮影したピクチャといったパーソナルなドキュメントが損失した訳だが、それらデータは、Appleの提供するサービスであるMobileMeのiDiskにバックアップされている。MobileMeのiDiscは20GBのディスクスペースが提供されている。こうしてみると殆どの情報はサーバーサイドに保存されていたのだ。
当然であるがファイルサーバーのハードディスクはRAID構成で冗長化されており、損失するリスクはクライアントコンピュータに比べて圧倒的に少ない。セキュリティーの観点からみるとアカウント・パスワードログインと、銀行系サービスに比べると強度的に弱いと思われがちだが、パスワードも8桁以上の数字や記号含むランダムなものにしておくことで、十分に強度が保たれる。むしろパスワードをブラウザに記憶させておくことや、わかりやすいキーワードにしておくほうが、コンピューターの盗難などによる情報漏えいのリスクは高くなるのだ。
さらにフィードパスでは、新しくジョインしたスタッフにPCを支給する際に、プレインストールするソフトウェアは、オフィススィートとウィルスプロテクションの2つだけであり、サーバーサイドのアプリケーションを利用している。総務管理はデヂエ、ヘルプデスクはメールワイズとコラボレックスを利用。スケジューラー、ワークフローなどの決済はサイボウズ Office for SaaS、メール環境はもちろんfeedpath Zebraこれらのビジネスツールあるいはソフトウェアはサーバー上にある。しかもこれらのサーバーは社内に設置、管理はせず、iDCに設置している所謂SaaS(Software As a Service)である。





