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2007.08.31
グーグルのエンタープライズ向けビジネスモデル
Posted on 2007.08.31 :16:29 in コラム Category
グーグルは広告収入が圧倒しているために見落とされがちであるが、グーグルはポータルサイトなどにサーチエンジンのOEMライセンス提供のビジネスを展開している。このサーチエンジンのOEMモデルは、アドワーズやアドセンスの広告ビジネスより先にグーグルが展開してきたビジネスモデルである。独自開発したサーチエンジンをほぼそのまま他社で利用してもらうモデルであるために、ビジネスモデルとしては非常にシンプルなモデルである。
現在ヤフーは独自のサーチエンジンであるYahoo Search Technologyをサーチエンジンとしているが、2001年から2004年までの間ヤフーのキーワードサーチにグーグルを採用した。ヤフーのキーワードサーチ結果に「Powerd by Google」と表示されたことにより、グーグルの知名度を高める結果となった。ヤフーを利用してブランディングを行う結果となったのである。
2007年1月時点日本においてグーグルはニフティー、BIGLOBE、インフォシーク、ライブドア、エキサイト、はてな、AOLなど主要ポータルに対してPowerd by Googleと称してOEM提供をしている。グーグルはインターネットサーチの世界では一人勝ち状態なのである。
しかし、このOEMモデルはライセンスビジネスであり利益率の高いビジネスであるが、グーグルのサーチテクノロジーを必要とするポータルサイトは限られており、マーケットで見ると決して大きくはない。
さらにはグーグルは企業向けにグーグル・サーチ・アプライアンス(GSE)と呼ばれるエンタープライズ・サーチをアプライアンスサーバーの形態にて提供している。この収益もグーグル全体として見れば微々たるものであるが、エンタープライズ・サーチのマーケットは極めて大きく、オラクルなどの参入により増加している。今後の成長ビジネスとなる可能性が高い。
■グーグルの理念が意味するところ(グーグル考察 第1回)
■壮大なミッションとWeb2.0(グーグル考察 第2回)
■情報の組織化が意味するところ(グーグル考察 第3回)
■コンシューマー向けサービスとビジネスモデル(グーグル考察 第4回)
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2007.08.29
コンシューマー向けサービスとビジネスモデル
Posted on 2007.08.29 :17:31 in コラム Category
グーグル考察第4回目。
グーグルの看板であるコンシューマー向けビジネスを整理してみる。グーグルはテクノロジーによって支えられているサーチテクノロジーをコアとしてユーザーにサービスを提供している。しかし、サーチテクノロジー単独では安定した収益を確保しながらサービス全体が成長し続けることは、グーグルといえど極めて難しいのである。どんなテクノロジーを持ったベンチャーでも最後に突き当たるのは、資本主義経済である。ゲームを進めるために最も根底にあるルールがマーケットエコノミー(市況経済)である。
どのようなビジネスであっても需要のあるマーケットに対して、有益な商品あるいはサービスを供給し相応の対価を得る必要がある。さらには投下した資本をビジネスにより大きな貨幣となって回収しなければいけない。この2つのルールを無視するとこのゲームは成立しない。つまり「どんなに素晴らしいサービスでもテクノロジーであっても収益を得なければ生き残れないのだ」
グーグルは、サーチテクノロジーをベースにしたサービスを基盤とし、その検索結果に広告を挿入するアドワーズにより収益基盤を確立した。さらには第3者のWebサイトのコンテンツを解析しマッチする広告を掲載するアドセンスにおいても大きな広告収入を得ている。Adwords広告はCPC(クリック・パー・コスト)モデルであり、ユーザーがクリックすることで、グーグルに広告収益が入る仕組みである。よって、検索結果にマッチした広告を表示することに加えて、アド・インプレッション(広告の表示回数)を増やすことが収益を増大させるポイントとなる。
アドインプレッションを確保するためには、より多くのユーザーをサービスに誘導し安定したサイトトラフィックを確保する必要がある。グーグルはそのために良い多くのカテゴリーでトラフィックを生むサービスを実現している。基本的にこれらのコンスーマー向けサービスは無料でユーザーに提供されており、サイトトラフィックを生み出す「トラフィックジェネレーター」として機能しているのである。
2006年12月にはAdwordsの広告配信プラットフォームをベースとして、2ラジオメディアをターゲットとしたラジオ広告のベータテストも開始している。また、2007年4月上旬にはEchoStar Satelliteと提携して、DISH Networkが米国で展開する125の衛星放送ネットワーク用に広告を販売すると発表し、テレビ広告に参入している。
■グーグルの理念が意味するところ(グーグル考察 第1回)
■壮大なミッションとWeb2.0(グーグル考察 第2回)
■情報の組織化が意味するところ(グーグル考察 第3回)
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2007.08.28
情報の組織化が意味するところ
Posted on 2007.08.28 :23:42 in コラム Category
前回からの続き。
グーグルの「情報の組織化」はあらゆる情報を意味する。テキスト情報以外の網羅できない情報の中で、グーグルが最も力を注いでいるのは、Google MapsやGoogle Earthなどの地図情報である。この地図情報をベースにすることで、これまでのテキスト情報やイメージに対して位置(場所)といった付随する2Dの情報を付加することができる。
インターネットユーザーはインターネットだけで完結する情報を検索する場合、たとえば論文を書くために引用ネタ探しであるとか、ソフトウェアバグを修正するためにソリューションであるとか、といったものは情報に位置情報を付加する必要がなく、サーチ結果から適切な情報を得ることによってその目的は達成できるが、ブロードバンド化によりインターネットアクセスが日常となった現在ではユーザーが必要としている情報はWebだけで完結するとは限らない。
現在では、インタラクティブメディアあるいはソーシャルメディアとしてのWebの性質が顕在化している。問い掛ければ答えが返ってくる情報データベースとしてのWebが存在するのである。このような環境変化によりWebはインターネットユーザーの実生活の一部となってきており、何らかの行動を行う際、必要としている情報は、テキストが中心の情報だけでは完結しない場合が多くを占めることになる。つまりインターネットユーザーが生活に最も密着しているポピュラー情報が地図情報でなのある。Google Mapと競合であるヤフーのYahoo! LOCAL Mapsも地図情報に対して情報をマッピングしており、まさに戦国時代なのである。
次回に続く。
■グーグルの理念が意味するところ(グーグル考察 第1回)
■壮大なミッションとWeb2.0(グーグル考察 第2回)
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壮大なミッションとWeb2.0
Posted on 2007.08.28 :08:46 in コラム Category
前回に続いてグーグルをテーマとしてそのミッションについて考察してみた。
広く知れ渡ったグーグルのミッションは、Organize the world's information and make it universally accessible and useful. である。訳すと「世界中の情報を組織化し、どこからでもそれにアクセスでき、有益なものにする」となる。
「Organize the world's information」情報の組織化とは、Googleが創業当初から念頭に置いている、地理的概念の存在しないインターネット上の情報を組織化すること。これはWebページにとどまらずインターネット上に存在する情報すべてを意味する。「universally accessible」とは、"どこからでもアクセスできる"、転じて"世界中からアクセスできる"と抽象化されて訳されがちであるが、その真意は奥が深い。この「universally accessible」とは、場所とデバイスにこだわらずインターネットに接続できれば組織化された情報にアクセスできるようにするということである。つまり言葉を変えれば様々なデバイスからインターネットにアクセス機能が提供される「ユビキタスコンピューティング」であり、あらゆるところからインターネットアクセス可能な環境が提供される「ユビキタスネットワーク」である。
このグーグルのミッションは壮大であり、インターネットというテクノロジーが存在しなかった時代では到底考えられないミッションである。インターネットのインフラストラクチャーが整備された現在においても、極めてイノベーティブで普遍的なミッションなのである。
ミッションの1つである「情報の組織化」についてもうすこし詳しく見ていこう。グーグルは創業当時からWebサーチテクノロジーの分野において、スケールするアーキテクチャー、ページランクアルゴリズムなどにより、高速なレスポンスでインターネットユーザーに必要とする情報をすぐさまに有益な情報を提供してきた。このようにインターネット上に溢れているWebの情報をインデックス化して広くあまねくサーチできるというWebサーチテクノロジーにおいては、他のサーチエンジンの追随を許さずトップランナーとして君臨し続けている。もちろんこのテクノロジーだけでもシリコンバレー大手サーチエンジンの辿ってきているライフサイクルに比べれば圧倒的に生き残り、成長し続けているが、現在のようにインターネットにおいてWWWのテキスト情報やイメージあるいは動画といった電子ファイルだけでは到底網羅できない。
現在では一般家庭までFTTH(光回線)が整備され、インフラコストが劇的に低下し、コンピューターの性能はムーアの法則が示す通り未だ18ヶ月で2倍に向上し続け、Webの環境は静的な情報から動的な情報、インタラクティブに変化する情報に変貌してきており、このような現象をいつからかダイナミックWebあるいはLive Webさらには第2世代のWebつまりWeb 2.0といわれる用になった。だれでも簡単にインターネットアクセスできる環境となったのである。
2004年ごろからのインターネットの環境変化に対して、Webサーチテクノロジーだけでが生き残れないことに最も早く気がつき、先手を打ってきているのである。
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2007.08.27
グーグルの理念が意味するところ
Posted on 2007.08.27 :23:39 in コラム Category
グーグルがNasdaqにIPOしてからこの8月19日で丸3年となった。初値が100ドルで2007年8月27日現在の株価が513ドルであることから3年で5倍の企業価値を上げたことになる。
インターネットが商用化された後、シリコンバレーではその魅力的な世界規模のネットワークであるインターネットの利用し、新たなるゴールドラッシュのゲームに参加すべく多くのベンチャー企業が産声を上げた。ネットスケープ、ヤフー、イーベイなど大成功を収めたベンチャーはほんの一握りであり、ポータルサイトなどへの事業売却により、ある程度の成功をゲームをリタイアしたケースはまだ成功の部類に入るが、資金が尽きて完全リタイアしたベンチャーが殆どである。このような中でグーグルだけは異色の輝きを維持しトップランナーとてゲームの先頭を走り続けているベンチャー企業なのである。
インターネットビジネスのプロフィットモデルの中でも、3大市場といえるのが、アマゾン, 楽天がサービスを展開している「e-コマース市場」、イーベイ、ヤフー、ビッダーズが展開している「マーケットプレース(オークション)市場」、さらには様々なニュースを始めとしてインターネットユーザーに対して有益な情報ソースを提供するインターネットメディアやブログサービスの情報メディアに対してビジネスを展開している「インターネット広告市場」であろう。この市場のプレーヤーがインターネット上でマスを対象にしてビジネスを展開している。
それではグーグルはどうであろうか。グーグルのプロフィットモデルの大きな柱となっているのは間違いなくインターネット広告による収益である。しかしグーグルはポータルサイトの雄であるヤフーとは違いインターネットメディアではない。あくまでもインターネットサーチエンジンなのである。グーグルの広告ビジネスの根底にあるインターネットサーチ(キーワードサーチだけではなく様々情報のサーチを意味する。)は、インターネット上に点在する様々な情報の中から、ユーザーが必要とする情報を短時間で得ることを目的としている。
世界中のインターネットサイトの数は既に億単位のサイト数となっており、グーグルはこれらのサイトの情報(テキスト情報以外も含まれる)をインデックスし、利用者に対して短時間で的確な情報を検索結果として提供している。このクオリティーとサービスレベルは想像を絶する数のサーバーインフラとテクノロジーによって支えられている。
グーグルはそのサーチテクノロジーによりユーザーに最大の満足感を与えている。グーグルの便利さと使いやすさに満足している利用者の口コミを通じて、世界で最も知られたインターネットサービスブランドに成長したのである。そこから生み出される売り上げはなんと四半期で38億7000万ドルであり、純利益は9億2500万ドルというとてつもない金額(2007年第2四半期の数字http://investor.google.com/より)である。現在ではグーグルがインターネット経済の一端を担っているといっても過言ではないだろう。
このテクノロジーへのアプローチについてグーグルのサイトでは以下のように謳っている
Google のテクノロジー
共同創設者ラリー ペイジは、"完璧な検索エンジン" とは、"ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返す"ものであると定義しています。その "完璧な検索エンジン" の開発という目標達成に向かって邁進する Google に並ぶものはありません。目標達成のため、Google は常に画期的な技術を求め、既存のモデルの限界を打ち破ってきました。
(引用:http://www.google.co.jp/intl/ja/corporate/tech.htmlより)
共同創設者ラリー ペイジは、"完璧な検索エンジン" とは、"ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返す"ものであると定義しています。その "完璧な検索エンジン" の開発という目標達成に向かって邁進する Google に並ぶものはありません。目標達成のため、Google は常に画期的な技術を求め、既存のモデルの限界を打ち破ってきました。
(引用:http://www.google.co.jp/intl/ja/corporate/tech.htmlより)
このテクノロジーに支えられたグーグル経済圏というエコシステムが誕生したのである。さらにこのテクノロジーのイノベーションをさらに推し進めるべくグーグルは「"最高" に甘んじない」という理念を掲げているのである。
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