2009.01.06
サイボウズオフィスのスケジュールをiPhoneに同期する
昨年末からZimbra Collaboration Suite 5.0日本語版(ZCS5.0日本語版)をベースとしたfeedpath Zebra 5.0(社内開発コード)の社内ベータ利用を行っている。ZCS5.0日本語版は昨年11月に日本市場向けにリリースしており、これまでのZCS4.5からの大きな機能追加は以下の通りである。
- インスタントメッセンジャー(ベータ)機能
- タスク管理機能
- ブリーフケース機能
- Safari 3.0でのブラウジングをサポート
- Zimbra Desktop(ベータ)
さらに
- ログイン時の起動時間が大幅な改善
- 管理コンソールの機能強化
僕にとって最も実用的な機能追加は、feedpath Zebra 5.0のメールメッセージとカレンダーがiPhoneのアプリであるメールとカレンダーにリアルタイムシンク(プッシュ型)が可能になったことである。(iPhoneのSafariでのブラウジングではなくiPhoneのアプリとのシンクである)
ぼくらフィードパスでは当然ながら社内のスケジュール管理はサイボウズOffice for SaaSで行っており、feedpath Zebraはこれまで、サイボウズOffice for SaaSとのスケジュール連携機能を提供してきた。(左画像はfeedpath ZebraのサイボウズOffice連携メニュー)
このサイボウズOfficeスケジュール連携機能により定期的にサイボウズOfficeのスケジュールとfeedpath Zebraのカレンダーが同期される。(技術的にはZimbraの提供するプラグインインターフェースであるZimletを利用)ここではデモ用のスケジュールをキャプチャー化して紹介する。
【サイボウズOffice for SaaSのスケジュール】
【feedpath Zebra 5.0のカレンダー(小さくて見えないのが同期されている)】
さらにfeedpath Zebraのカレンダーがアップデートされると、feedpath Zebraのモバイルシンク機能によりiPhoneアプリのカレンダーにほぼリアルタイムに同期されるのである。技術的には、ZCS5.0がIPhoneの提供するExchangeとのActiveSync機能を利用する事で実現している。
【IPhoneのカレンダーアプリ】
このfeedpath Zebra 5.0は社内ベータを経て早ければ第一四半期にサービス開始を行う予定である。
ビジネスでもプライベートでももうIPhoneが手放せない日常生活だ。
2009.01.05
SaaS、PaaSあるいはクラウドコンピューティングとブレイクスルー
新年明けましておめでとうございます。1月5日から仕事始めということで、今回はちょっと長くなりますが、このエントリーで新年の挨拶とさせてもらいます。また、仕事関係の方には年賀状をお送りしていないため今年の僕の年賀状デザインをアップしておきます。(ちなみに年賀状を固定しているのは、年末に買ったワインです。)
今年のテーマは「Breakthrough(ブレイクスルー)」。
昨年末から何度もエントリーしている通り、年々SaaS市場が成長してきており、フィードパスのSaaS事業をラピッドに成長させるとともに安定した営業利益を出すためにビジネス的にもテクノロジー的にも「Breakthrough」する必要があると考えている
この年末にノークリサーチから「2009年版 SaaS市場の実態と中期予測」が発表された。この内容はSaaSにとどまることなく、PaaS市場の予測含まれており、「国内SaaS市場規模 は2009年には2,207億円、 2012年に7,746億円に達する。」とのことである。われわれフィードパス社にとっては非常に景気のよい市場予測である。2009年の国内SaaS市場の1%でも食い込みたい。
昨年夏以降、SaaSというキーワードがベースとなり、IaaS (Infrastructure as Service)またはPaaS (Platform as a Service)と呼ばれるレイヤに注目が集まっている。米国のブログである「Cloudy Times」はクラウドコンピューティングをテーマとし、SaaS/PaaSに言及しているブログであり、昨年から通目してチェックしている。
この「Cloudy Times」に掲載された図で「The Onion」がSaaS/PaaS/IaaSの関係を明快に表している。タマネギをモチーフにした図である。その中でいずれのレイヤもAPI Setを持ち、利用者に提供することが大きな特徴であり、これまでのレンタルサーバーと違い点である。
PaaSとSaaSは重要な共通課題を持っている。SaaS/PaaSいずれのサービスを提供する場合でも一定以上の規模になるとインフラコストおよびインフラのマネジメントコストが増大し、コスト削減をすることにより営業利益を増大させる必要がある。
このように、ブレイクスルーするにはリーズナブルな価格でサービスを提供すしても営業利益が確保するだけの原価の低減が要求される。すなわち、インフラコストおよびインフラマネジメントコストの低減である。これも今年の大きなテーマでもある。
昨年後半からIT業界のキーパーソンと会食をするたびにこのような話をしているが、先日同じサイボウズグループでもあり沖縄でMSPサービスを提供している沖縄クロスヘッドの方にこの話をした際に、沖縄はインフラコスト(不動産コスト)もインフラマネジメントコスト(人件費)も東京に比べると大幅に安く、一般的なサービス出れば十分な回線品質(帯域幅)を提供できるという話を聞いた。これまでトラブル時はすぐに駆けつけられる都心部のiDCにサーバーを収容するのがセオリーとされてきたが、GoogleにしてもAmazonにしても米国では人口の集中していない閑散とした地域にiDCを構えているのが現状である。
一方、クラウドコンピューティング市場では、GoogleはGoogle App Engineとよばれるインフラを含む統合開発環境とサービス環境を提供している。これは、アプリケーションエンジニアはインフラレイヤを一切考慮することなく独自のサービスを提供できる。まさにプラットフォームの提供(PaaS)である。米国AmazonはストレージサービスのAmazon S3 (Amazon Simple Storage Service)、とAmazon EC2 (Amazon Elastic Compute Cloud)を統合型のサービスとしてクラウドコンピューティングの環境を提供している。
しかしながら、GoogleもAmazonもこれらのクラウドコンピューティング環境を収益の中心においてはいない。GoogleはAdwords, Adsenceなどの広告ビジネスが依然として収益の中心モデルとなっており、AmazonはECプラットフォームを含むオンラインショッピングが収益の中心である。
インターネット接続環境、サーバーハードウェアなどのインフラストラクチャ環境はインターネットサービスを行う上で必ず必要とされる。プロトタイプやスタートアップの時点では、数台(場合によっては1台)の専用のレンタルサーバー環境でサービスを提供できるが、トラフィックが増大し、収益が上がるようになると、レンタルサーバーでは十分なサービスが提供できなくなり、データセンターのコロケーションサービスに移行せざろう得ない。さらにサーバー台数が増加すると、専用ラック、専用フロアと収益にしめるインフラコスト(原価)の割合が増加してくる。このインフラコストは馬鹿にならない。mixiにしても、Greeにしても通ってきたパスである。サービスが一定以上になるとオペレーションコストを低減するか、インフラの原価を低減するかで営業利益率を上げるほかない。
GoogleもAmazonもインフラレイヤのテクノロジーを駆使し、インフラストラクチャーコストを低減している。不動産と同じで一定規模以上になると、コロケーション環境ではなく、自社iDCを持つことが、インフラストラクチャーコストを低減するもっとも効果的な施策である。
このように、クラウドコンピューティングの市場に参入するには、データセンターインフラストラクチャ、ネットワーク機器、サーバーハードウェア、オペレーティングシステム、ミドルウェア、さらにはクラウドを実現するアプリケーション、つまり垂直統合型の環境が求められる。GoogleもAmazonも自社サービスの中で培ってきたインフラテクノロジーをベースにPaaSと呼ばれるクラウド・コンピューティング環境を提供しているのである。アプリケーションからインフラまで垂直統合でスケールするビジネスを持つGoogle, Amazonだから早期に参入できているのだろう。
ということで今年一年、例年に増してブレイクスルーを実現させるため集中していきたい。
2009.01.04
マクロ経済の調整機能
この正月休みは、久しぶりにまとまったOFFが過ごせた。その大半はまとめ買いしたワインを飲みながら、これまで封印してきた米国の連続ドラマである「プリズンブレイク」(シーズン1,2を一気に観た)のDVDを観て過ごしたが、これまでフェードリーダーに未読のままたまっていた多くのIT企業の社長ブログをじっくりと拝読させてもらった。ITベンチャーの経営者として今年2009年は「なにをすべきか」、いや「何をすべきでないのか」をじっくりと内省および考察することができたと思っている。(このブログへのエントリーも休み中できるだけ書いた。)
多くのマスメディアが現在の経済状況を「100年に一度の金融恐慌と銘打って」憂いでおり、それぞれの社長はこの不況のなか、何を考え、何をすべきなのかを2009年の新年の所信として淡々とブログに書いている。このような中で、特に今回興味深かったのは、サイバーエージェントの藤田社長のブログ「渋谷ではたらく社長のアメブロ」やNews2uの神原さんの「minako's blog」さらには、モディファイの小川さんの「Speed Feed」である。
マクロでみると、どのような経済状況にあろうとも、資本主義経済の中で活動を行っている限りは決して「明けない夜はない」のである。つまり資本主義経済はプリミティブな株式マーケットが牽引し、実体経済に合うように調整作用が働くようにできているはずだ。昨年から現在にかけてはデリバティブな金融商品(その代表はCDSだ)が市場を大きく作用するようになり、これらが市場全体の調整に外乱与えている.。マクロ見ても補正するための調整パラメタはあまりにも多すぎて、いまだ調整し切れていないだけである。
2000年からのネットバブルは、期待と実態があまりにもかけ離れていたことで、株式市場の大暴落を招いたが、現在は期待と実態は決して大きく乖離していない。2000年のそれとは本質的に違うと考えている。米国を中心に各国で実施された金融政策の効果が2009年の前半から調整作用として出てくるはずだ。実際年末から新年にかけてニューヨークマーケットはドル円為替相場を含めて堅調に推移してきている。もちろんオバマ効果もあるが。。
さて、このような経済状況の中で、僕ら新興IT企業は2009年どのようにサバイブしていけばよいか。明日の仕事始めの明日朝にでもエントリーしておきたい。
2009.01.03
東京薬科大学がZimbraを採用
昨年10月、Zimbra Collaboration Suiteが東京薬科大学に導入され利用が開始された。フィードパスもシステムインテグレーションフェーズにおいて裏方ながら導入時のテクニカルサポートを行ってきた。
インテグレーション期間は2ヶ月半、教職員の利用でメールボックス数は5500である。昨年Zimbra Collaboration Suiteを導入した15000メールボックスの関東学院大学に比べると少ないが、日本においてのZimbra Collaboration Suiteの採用規模では大きい方である。
今回のZimbra Collaboration Suiteの導入に当たっては、ITmediaに掲載されているとおり、競合はGoogleAppsであった。実は昨年夏以降に本格的な導入検討が行われ、東京薬科大学はZimbra Collaboration Suiteを最終選考する結果となった。ITmediaのインタビュー記事によると、GoogleAppsの採用に踏み切らなかった大きな要因は、大学外にデータを預けて管理することへの不安、つまり「データがコントローラブルであること」である。
SaaSといえども、このニーズは結構多く、feedpath Zebraの顧客ニーズにおいてもメールデータのエクスポートサービスを希望するクライアントが多いことから、メールデータエクスポートサービスをfeedpath Zebraの商品ラインアップとしている
昨年米国スタンフォード大学がZimbraを導入していることは発表した影響もあり、大学などの教育機関からの案件が多くなってきている。またGoogleAppsが本格的に企業、教育機関向けにサービスを開始した影響でZimbraも脚光を浴びてきている。
さらに昨年、某大手コンテンツプロバイダーにも導入が決まっており現在インテグレーションのフェーズである。
■Google Appsを採用しなかった理由も:「mixiのようなポータル機能をメーラーで実現したかった」――東京薬科大学(ITmedia)
2009.01.02
MacBook Airの魅力とMobile Me
前のエントリーでもちょっとふれたが、これまでMacBookを仕事用のプライマリーマシンとして利用してきたが、昨年の2008年12月25日のクリスマスの日からMacBook Airに乗り換えた。2006年9月に「MacBookの魅力」でエントリーしたとおり、MacBook(CPUは、CoreDuo 1.86GHzのもの)は2006年8月から利用してきたので、2年4ヶ月ぶりのリプレースである。重さ2.36 kgのMacBookから1.36KgのMacBook Airにしたことで、1Kgほどバックが軽くなった。
MacBook Airは2008年2月に発売され既に10ヶ月を経過しているので、今更レビューをエントリーする?という感じであるが、今回手に入れたMacBook Airは10月にスペックがマイナーチェンジされたもので、NVIDIA GeForce 9400Mグラフィックチップ、128GBのSSDが搭載されたモデルである。
実は実際にMacBook Airを利用するまでは、MacBook Airに関してはMacBookに比べその「サイズ」と「軽さ」以外に大きなアドバンテージを見いだせておらず、大きな期待はしていなかった。しかしながら実際利用してみると、その期待より現実の方が圧倒的に上回った。OS、アプリケーションは全く変わっていないが、そのポータビリティーは当然のこと、トラックパッドのサイズ、トラックパッド4本指でのExpose、さらにはより鮮明なディスプレイと、ユーザーインターフェースが向上したことで、MacBookより数段上の軽快なコンピューティングが実現されている。
さらに今回声を大にして言いたいのは、マシン移行による環境設定コストが限りなくゼロに近かったことだ。届いたその日の数時間で日常的に利用するコンピューティング環境が整ったのである。
これまでは、マシンは届いてもセットアップに時間がかかるので、日常業務を優先させNewマシンのセットアップは後回しになる傾向があった。仕事で利用しているデータ数十ギガはファイルサーバーにアーカイブしているので転送することでNewマシンに転送することでデータ移行ができるが、自分用にカスタマイズしてある各種の環境設定やブックマークなど日常的に利用する環境を整えるまで結構な時間を要した。
しかし、Appleのシンク&ストレージサービスであるMobile Meを利用していることでこの時間が大幅に短縮されたのである。Mobile Meはデスクトップ環境の個人設定情報をシンクしている。ブックマーク、カレンダー、アドレスデータ、キーチェーン、メールアカウント、環境設定のデータなどである。
このようなマシンリプレースによるデータ移行はそう頻繁にあるわけではないが、マシントラブルは思わぬ時に突然やってくる。その際のリカバリータイムが大幅に短縮できると考えればMobile Meの年間9800円は決して高い金額ではない。なんとMobile MeとシンクできるデバイスはMacだけではなく、iPhoneとのシンクにも利用できるのである。
ということで、この年末年始も軽快にMacBook Airを利用してブログをエントリーしている。


