Blogot - 旅とF1と車と男の嗜み

旅とF1と車と男の嗜みをテーマとした後藤康成のブログ。

コンシューマー向けサービスとビジネスモデル


 グーグル考察第4回目。

 グーグルの看板であるコンシューマー向けビジネスを整理してみる。グーグルはテクノロジーによって支えられているサーチテクノロジーをコアとしてユーザーにサービスを提供している。しかし、サーチテクノロジー単独では安定した収益を確保しながらサービス全体が成長し続けることは、グーグルといえど極めて難しいのである。どんなテクノロジーを持ったベンチャーでも最後に突き当たるのは、資本主義経済である。ゲームを進めるために最も根底にあるルールがマーケットエコノミー(市況経済)である。

 どのようなビジネスであっても需要のあるマーケットに対して、有益な商品あるいはサービスを供給し相応の対価を得る必要がある。さらには投下した資本をビジネスにより大きな貨幣となって回収しなければいけない。この2つのルールを無視するとこのゲームは成立しない。つまり「どんなに素晴らしいサービスでもテクノロジーであっても収益を得なければ生き残れないのだ」

 グーグルは、サーチテクノロジーをベースにしたサービスを基盤とし、その検索結果に広告を挿入するアドワーズにより収益基盤を確立した。さらには第3者のWebサイトのコンテンツを解析しマッチする広告を掲載するアドセンスにおいても大きな広告収入を得ている。Adwords広告はCPC(クリック・パー・コスト)モデルであり、ユーザーがクリックすることで、グーグルに広告収益が入る仕組みである。よって、検索結果にマッチした広告を表示することに加えて、アド・インプレッション(広告の表示回数)を増やすことが収益を増大させるポイントとなる。

 アドインプレッションを確保するためには、より多くのユーザーをサービスに誘導し安定したサイトトラフィックを確保する必要がある。グーグルはそのために良い多くのカテゴリーでトラフィックを生むサービスを実現している。基本的にこれらのコンスーマー向けサービスは無料でユーザーに提供されており、サイトトラフィックを生み出す「トラフィックジェネレーター」として機能しているのである。

 2006年12月にはAdwordsの広告配信プラットフォームをベースとして、2ラジオメディアをターゲットとしたラジオ広告のベータテストも開始している。また、2007年4月上旬にはEchoStar Satelliteと提携して、DISH Networkが米国で展開する125の衛星放送ネットワーク用に広告を販売すると発表し、テレビ広告に参入している。

グーグルの理念が意味するところ(グーグル考察 第1回)
壮大なミッションとWeb2.0(グーグル考察 第2回)
情報の組織化が意味するところ(グーグル考察 第3回)

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